「レシピ通りに作ったのに、なんだかおいしくない……」そんな経験はありませんか? それは、レシピをシンプルに見せるために、「料理上手なら感覚でわかる」と省かれた大切なポイントがあるからかもしれません。書籍『レシピ未満のおいしい食べ方』では、これまでのレシピ本には書かれなかった、「料理をおいしくするためのコツ」やポイントをわかりやすく解説。さらに、ひとつの食材で作れる料理、火を使わずにできるもの、直感的に作れるシンプルな調理法など、「レシピと呼ぶには簡単すぎる」食べ方を通じて、一生モノの「料理の秘訣」が身につきます。今回は白身魚のお刺身を、簡単に、栄養たっぷりに食べる方法を紹介します。(監修/料理研究家・管理栄養士 藤井恵)

白身魚のお刺身に、とろろ昆布をまぶす?!

【藤井恵さんが教える】高血圧・コレステロール値の上昇を防ぐ!魚のすごい食べ方写真:福尾美雪

刺身などの食材を、だし昆布ではさむ昆布締め。
昆布が食材から余分な水分と臭みを吸い取り、かわりに旨みを移してくれるという伝統的な料理法です。

本来なら数時間~ひと晩ほどかかりますが、とろろ昆布を使うと、なんと30分で再現できますよ!

まず、まな板にラップを敷き、その上でとろろ昆布を小さく裂きます。裂いて使うのは、刺身の全体にまぶしやすくするため。

裂いたとろろ昆布の上に刺身をのせ、刺身の上にもとろろ昆布をまぶしたら、ラップでぴったりと全体を覆います。

そのまま冷蔵庫に入れ、約30分置けばできあがり!
しょうゆなしでもおいしく食べられますから、まわりについたとろろ昆布ごといただきましょう。

とろろ昆布に含まれる豊富な食物繊維により腸内環境が整うのはもちろん、カリウムは塩分の排出を促し、水溶性食物繊維はナトリウムの吸収を抑えるため、血圧の上昇を防いでくれますし、フコイダンアルギン酸によりコレステロールの吸収を抑え、悪玉コレステロールの減少にもつながります。

そのまま食べてもおいしいお刺身ですが、レシピとは言えないほど簡単な一手間で、驚くほどおいしく健康的に食べられますよ。

健康のために、栄養のバランスやカロリーに気を使ったものをちゃんと食べたいけど、料理は苦手……毎日作るのは面倒……なら、料理研究家でありながら、管理栄養士の資格を持つ、藤井恵さんおすすめの食べ方を試してみてください。レシピとは言えないくらい簡単なものですが、ちゃんとした1品になり、しかも必要な栄養素を効率的に、驚くほど簡単においしく食べることができますよ!