10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、話題になっている。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

【算数オリンピック入賞者多数輩出のカリスマ塾長が教える】夏休みこそやってほしい! 子どもの人生を変えることとは?Photo: Adobe Stock

小さなことにも真剣に取りくんで「選ばれる経験」を積む

 小さな子にとって「選ばれる経験」というのは大きな意味を持ちます。 

 りんご塾の彦根にある校舎では、実は「書き初め講習」もやっています。
 冬休みの宿題で出される書き初めを、塾の教室を使って本気で指導しているのです。「なぜ算数の塾が?」と思われるかもしれませんね。

 書き初めって、とりあえず出せばいいというイメージをお持ちの方も多いでしょう。そこに力を入れるぐらいなら、その分、主要教科を頑張りたい人もいるでしょう。

 そこが狙い目です。みんなが「適当でいいや」と思っていることを、金を払って習い、真剣に取り組む。すると、ライバルが少ないので学校で上手な人に選ばれたりするんです。

 何かに選ばれるという経験は、それがたとえ小さなことであっても、子どもにとって大きな自信になります。「自分はできる」という自信を積み重ねて、自己肯定感を高めていってあげることが、勉強のモチベーションアップにつながるのです。

 夏休みなど長期の休みにはお子さんの得意なこと、他の人が適当にこなしていることで「選ばれる体験」ができないか、考えてみてください。たとえば「お住まいの地域」×「コンクール」×「小学生」などで検索するといろいろでてきますよ。

 勉強を詰め込むよりも、子どもの人生にとっての大きな成長が得られるはずです。

*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。