大企業に受かるかは、何で決まるのでしょうか? 運でしょうか? 学歴でしょうか? 実は大学3年生の夏休みの過ごし方が、その後の就活の結果を大きく左右するのです。
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、就活を成功に繋げる夏休みの過ごし方について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒 就活Photo: Adobe Stock

夏休みで就活の成功が決まる?

大企業に受かるかは、何で決まるのでしょうか? 運でしょうか? 学歴でしょうか?

かつては「いい大学に入りさえすれば、大企業への道は開ける」という時代がありました。
しかし今は、同じ大学・同じ学部に通っていても、大企業に受かる学生と落ちる学生の差は歴然です。
その差は、運や学歴や成績だけで決まるわけではありません。

実は、大学3年生の夏休みの過ごし方が、その後の就活の結果を大きく左右します。
遊びやアルバイトに時間を費やすだけの学生もいれば、限られた時間を戦略的に投資して“内定への土台”を築く学生もいる。
たった2か月足らずの夏休みが、数か月後の合否を分けるのです。

では、大企業に受かる学生は夏休みに何をしているのでしょうか?
就活生が夏休みにやるべきことは大きく3つあります。

SPIの問題集に毎日15分取り組む

まず第一に、SPIという最も多くの企業に取り入れられている適性検査の対策をしましょう。

適性検査とはテストのようなもので、この検査で基礎学力が測られます。このテストで不採用になるのはあまりにもったいないので対策が必須です。

そんな適性検査の対策ですが、問題集を解くに尽きます。

このとき、問題集はネットで買うのではなく、書店で実際に開いてみて、「これなら取り組めそうだな」という問題集を選んでみてください。問題集によってイラストの豊富さ、解説の丁寧さが全然違うので、書店で自分に合った問題集を選びましょう。

夏休み期間中は、この問題集を毎日何時間も取り組む必要はありません。1日15分でも良いので毎日スキマ時間に取り組みましょう。

適性検査の対策は、あとあと取り組む必要があるので、「就活が本格化したとき、他の就活生が適性検査の対策をしている間に他のことができるぞ!」と考えることで、早めに着手することができますよ。

毎日日記をつける

次に、就活生が夏休みに取り組んでほしいことが日記です。日記と言っても、その日の出来事を羅列する必要はありません。その日に良かったことと、悪かったことを3つずつ箇条書きで書き出してください。

なぜこれに取り組む必要があるのかと言うと、就活において「自己理解」が企業選びや選考対策の土台になるからです。自分はどんなことに幸せを感じるのかを知ることで、どんな企業で働くべきか、どんな仕事をするべきかが少しずつ見えてきます。

反対に自分がどんなことが嫌いなのかを知ることで、「これだけは避けたい」という企業選びの条件が見えてきたり、自分の苦手を知ることで、それをエントリーシートや面接で詳しく話すことができるようになります。

エントリーシートや面接が苦手な人は、単に自己理解をもう少し深めればいいのです。

「あなたの名前は何ですか?」と面接で聞かれても、誰でも答えることができますよね。一方で「あなたの強みは何ですか?」と面接で聞かれたときに、うまく答えられる人と答えられない人がいるのは、事前に自分の強みを理解できているかどうかの差です。

毎日の日記を通して、良かったこと、悪かったことをメモして、たまに時間をとってそれらの項目に対して「なぜ?」と深掘りする。そうすることで、自然と自己理解を深めることができ、面接官からの質問にもうまく答えられるようになりますよ。

就活3大質問だけ完成させてみる

最後に、就活生が夏休みに取り組んで欲しいことが、就活3大質問だけ完成させてみることです。就活3大質問とは、特に多くの企業から聞かれる「自己PR学生時代に力を入れたこと志望動機」の3つです。

就活では企業ごとに様々な質問が出題されますが、高頻度で出題される質問の回答の質を高めることが効率的です。100問に対して浅く回答を考えるよりも、10問に対して深く回答を考えた方が評価に繋がると考えています。

まずは就活3大質問を完成させてみる。そしてその3問の回答に自分が納得できるようになったら、次に1問と加えていくイメージです。

夏休み明けのタイミングからこうした質問の回答を考えるよりも、少しでも早くから考える機会を持っておきましょう。