圧迫面接は時代遅れなのでしょうか?それともストレス耐性を知るために必要なのでしょうか?
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圧迫面接Photo: Adobe Stock

そもそも圧迫面接とは?

まず最初に、「圧迫面接」とはどんなもなのでしょうか。圧迫面接とは、就活生に対して、あえて厳しい態度や言葉で接する面接のことを指します。

たとえば、次のような言動がよくあります。
・話の途中で遮られて、「結局何が言いたいの?」と言われる
・「それってあなたじゃなくてもできますよね?」と否定される
・答えた内容に対して、無言でじっと見つめられる
・高圧的な態度で「うちのことちゃんと調べてます?」と詰められる
このように、相手の態度や言葉に“威圧感”がある場合、それは圧迫面接と呼ばれることが多いです。

ただし、厳しい指摘=すべて圧迫、というわけではありません。質問の中で多少鋭い指摘があるのは普通です。しかし、それが明らかに失礼な言い方だったり、就活生の自信を削ぐような態度であれば、それは圧迫面接だと受け取られても仕方ないと思います。

つまり、面接官が「言い方」「表情」「態度」でわざと圧をかけてきた時点で、それは圧迫面接だと言えるでしょう。

企業はなぜ圧迫面接をするのか?

圧迫面接の定義を確認したところで、次に考えたいのは、人事側の心理です。

就活生と企業、両者の立場を中立的に見て考えてみましょう。なぜ一部の人事担当者は圧迫面接を行うのでしょうか。

理由は大きく分けて、次の3つだと思います。

・ストレス耐性を測るため
・トラブル対応力を見極めるため
・人事自身が抱える不満やストレスを就活生にぶつけている(いわば「腹いせ」)

基本的には、ストレス耐性やトラブル対応力を見たいという意図で圧迫面接を行っている企業が多いでしょう。

しかし僕は、一部に「腹いせ」として圧迫面接をしている人事もいると考えています。年間でおよそ4万社が新卒採用を実施していると考えると、そういった人が紛れていても何ら不思議ではありません。

そしてここで厄介なのが、「ストレス耐性を測っている」のか、「ただの腹いせ」なのかを、就活生側は判断できないという点です。

仮に腹いせだったとしても、「ストレス耐性を見るためです」と言われたら、それで終わってしまいます。真意は本人にしか分かりません。

この「腹いせ」という理由は意外と見落とされがちですが、こうした意図が少しでも存在する以上、僕は圧迫面接は“悪”だと考えています。

たしかに、実際の業務ではクレーム対応や理不尽な場面に出くわすことはあります。

しかし、それを理由に、入社前の学生に対して“わざと理不尽な状況”をつくることが許されるかといえば、話は別です。

圧迫面接をするのではなく、具体的に業務中にどんな理不尽な場面に出くわすことがあるのか、最悪なケースなどを具体的に「説明」することが先決でしょう。

この令和の時代に圧迫面接をしてくる企業には、入社しない方が良い、というのが僕の主張です。もちろん、人事担当者がストレス耐性を測りたいという意図があることは理解できます。

ですが、「ストレス耐性を測る」というメリットよりも、「圧迫面接をされた」という情報が拡散されるリスクの方が、はるかに大きいのです。

圧迫面接に出会ったらどうすればいいか?

圧迫面接は、就活生を深く傷つけてしまいます。たしかに、ストレス耐性が高い就活生にとっては、圧迫面接も問題なく乗り越えられるかもしれません。企業としても、ストレスに強い人材を見つけられて満足かもしれない。

でも、その裏側で「圧迫面接によって心に傷を負ってしまった人」のことは、ちゃんと考えられているのでしょうか。おそらく、考えていないからこそ圧迫面接ができてしまうのだと思います。

繰り返しになりますが、今の令和の時代は、あらゆる情報がすぐに拡散される時代です。

「○○株式会社の面接で圧迫面接を受けた」という情報が広まるリスクは、決して小さくありません。それにもかかわらず、圧迫面接をすることのリスクに鈍感であり、何よりも圧迫面接によって傷つく就活生の気持ちを想像できていない。

だからこそ、僕は圧迫面接をしてくる企業には、たとえ内定をもらったとしても入社しない方が良いと断言しています。

 (本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです