「業界に関係なく大企業を受けるべき?」「業界を絞って選考を受けるべき?」
就活生はどのように企業を選べばいいのでしょうか?
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、自分に合った企業を選ぶ方法を著者である藤井氏に特別に書き下ろして頂きました。

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就活で見るべきは「営業利益率」

「コンサル」「商社」「IT」……就活人気ランキングを見ていると、今勢いのある業界が目に入ると思います。

でも、「人気の業界に行きたい!」と受ける企業を決める前に、「業界の選び方」をぜひ知っておいてください。

結論を先に書くと、業界を選ぶうえで最も大事な指標は「営業利益率」です。

営業利益率とは、「売上のうち利益が占める割合」を示す指標です。

わかりやすいようにたとえ話をしましょう。あなたはカフェの経営者です。今月のカフェの売上は100万円でした。

売上は100万円ですが、その100万円を稼ぐために、アルバイトの人たちの給料や原材料費、家賃などがかかっていますよね。100万円全部が利益になるわけではありません。今月かかった費用は合計で96万円でした。つまり利益は100万円から96万円を引いた4万円です。

100万円の売上のうち、利益の4万円が占める割合は4%です。つまり、あなたの経営するカフェの営業利益率は4%となります。

経済産業省の調査によると、まさに飲食業界の2023年の営業利益率は平均4%でした。一方で、別の業界を見てみると、金融業界の営業利益率は平均11%でした。

つまり、同じ100万円の売上でも、飲食だったら4万円の利益なのに、銀行なら11万円も残るということです。営業利益率が高いほうが、利益が出やすいのです。だからこそ、営業利益率が高い企業は社員に利益を還元しやすく、ホワイト企業になりやすいと考えることができます。

営業利益率を理解することには、大きく次の2つのメリットがあります。

①ホワイト企業が多い業界に目を向けることができる
②自分が気になる企業の営業利益率が業界平均よりも高いか低いか判断できる

ホワイト企業が多い業界に目を向けることができる

まず1つ目のメリットが、ホワイト企業が多い業界に目を向けることができることです。営業利益率の視点で業界ごとの儲かりやすさを見ることで、もともとの志望業界だけに固執せず、幅広い業界に興味を持つことができるようになるのです。

もう一つのメリットが、自分が気になる企業の営業利益率が業界平均よりも高いか低いか判断できるようになることです。その業界の平均よりも営業利益率が高い企業には、何かしら大きな「強み」があります。これを「競合優位性」と言うのですが、競合優位性を持つ企業は将来性も安定性も高いんですよね。こうした背景を知れば、「この会社は営業利益率が20%もある!」なんて発見ができるようになります。