高学歴で勉強もサークルも頑張ったのに就活に落ち続ける人と、学歴も特記するようなガクチカ(学生時代に頑張ったこと)もないけれど優良企業に内定する人。この差はなんでしょうか?
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、高学歴でガクチカがある学生でも選考で落ちることがあるという問題について、著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

なぜ「すごい学生」が落ちるのか? 採用側の真実
就活攻略論という就活サイトを8年間運営しているなかで、就活生からこんな悩みをもらうことがあります。
「就活って、体育会系やサークル代表みたいなすごい人ばかりが評価されるんですよね? 自分のように普通に勉強していただけの地味な人が内定を取れますか?」
就活は人生で初めて取り組むものなので、どうしても「イメージ」が先行してしまいます。
ですが、こうした誇れる実績があるすごい学生が落ちて、普通の学生が受かる。就活市場ではこのようなことが当然のように起こるのです。
「すごい学生」を採用するデメリット
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』p.26より
本書の第1章の冒頭です。就活はすごい就活生ばかりが評価されるというイメージを持っている人は多いですが、1つ抜けている視点があります。
それは全国大会出場、長期インターンシップといった誇れる実績もリーダーシップもあるすごい就活生を採用することにはデメリットもあるということです。
そのデメリットとは何かと言うと、「独立されやすい」「転職しやすい」「リーダー同士で反発しやすい」といったデメリットです。
たしかに個人事業主としての独立であれば、すごい学生の方が成功しやすいかもしれません。ですが、サラリーマンというのは組織の一員であり、そこに馴染めることが実は一番大切なんですよね。
すごい学生は独立したり、より高いキャリアを求めてすぐに転職することができるという点は、実は会社という組織においてはデメリットになります。
つまり、次のAさん、Bさんのどちらを評価するのかは、企業によって異なるのです。
Aさん:とても優秀だけど1年後に辞めそう
Bさん:普通だけど辞めずに長く働いてくれそう
就活生は漠然とAさん”だけ”が評価されると考えていますが、就活は受験とは違います。
受験であれば、次の2人のうち評価されるのは、すべての大学でAさんです。
Aさん:センター試験9割正解
Bさん:センター試験6割正解
その証明として、僕は愛知の中堅大学出身で、資格も自動車免許だけ。長期インターン経験なし。留学も当然なしで、TOEICは300点台。大学の成績は最底辺でした。
それでも倍率300倍を超えるカゴメからの内定を獲得し、入社することができました。就活が高学歴や過去の実績を積んだ人しか評価されないなら、僕がカゴメから内定を獲得できるわけがありません。
まずはこうした視点を持ち、就活に対して前向きに考えることが大切です。