高野連と広陵高校の会見に不満噴出

 8月6日の夜には高野連が緊急会見を開き、選手や関係者への誹謗中傷は慎むよう「お願い」。しかしこれが火に油を注ぐかたちとなり、暴行した(と疑われている)選手が出場しているのに、ネット上の書き込みだけ牽制するのかといった不満が噴出した。

 広陵高校は大会出場を辞退せず、7日は1回戦で勝利。しかし試合では吹奏楽やチアによる応援はなく、応援団は野球部のみだった。

 そして10日になって、一転して辞退を発表。9日夜にこの決定が選手たちにも伝えられていたという。

 広陵高校の堀正和校長は10日午後、兵庫県西宮市にある大会本部を訪れたあとの会見で次のようにコメントしている。

「現在SNSなどで配信されている画像や投稿の中には、事実と異なる内容、憶測に基づく投稿、生徒の写真など、関係しない生徒へのひぼう中傷や加害の予告も見受けられます」

「本校にいる生徒、登下校でひぼう中傷を受けたり、追いかけられたり、寮で爆破予告があったり、そういったようなこともSNS上で騒がれています。校長として、生徒、教職員、地域の方々の人命を守ることは最優先する」 

 ネット上では、辞退の決定が遅すぎたとか、このために「加害者」と疑われている選手たちの画像・動画がネット上にさらに拡散することになったとして、決定を下した大人たちへの批判が広がっている。                  

 SNSで出回っている内容がどこまで事実かどうかが現時点ではわからないが、これを見た人たちが「さもありなん」と思ってしまう理由のひとつは、これまでもスポーツ名門校での体罰やいじめがたびたび報道されたり噂されたりしてきたからだろう。

「体罰やいじめ」と書いたが、それが学校現場以外で行われれば犯罪になるような行為が、「指導」や「部のルール」といった言葉で正当化されてきてしまった。

 特に高校野球について指摘されるのは、その注目度の高さゆえの選手にかかる負荷である。