
ソフトバンクグループ(SBG)は苦境にある米半導体大手インテルに20億ドル(約2940億円)を出資することで合意した。米政府による救済の取り組みと時を同じくした民間セクターからの支援となる。
トランプ政権当局者は、同社の業績回復と米国の半導体製造強化を目指し、インテル株10%を取得することについて協議している。協議の概要を聞いた関係者が明らかにした。
インテルは18日、SBGが1株当たり23ドルでインテル株20億ドル相当を取得すると発表した。同社株の18日終値23.66ドルをわずかに下回る水準。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによると、この出資は約8700万株に相当し、SBGの保有比率は約2%となり、インテルの6番目に大きな株主となる。投資家はSBGの動きを信任投票と解釈したようだ。同社株は終値が前週末比3.7%安だったが、その後の時間外取引で終値比4.5%高となった。
業界アナリストによると、追加出資はインテルにとって有益だが、同社が回復軌道に乗るには、半導体の設計・製造事業の顧客が必要だ。インテルは4-6月期(第2四半期)に29億ドルの純損失を計上した。同社は最新世代の人工知能(AI)半導体の製造を進めるため、顧客からの大規模なコミットメントを求めていると述べている。
SBGは昨年12月、向こう4年間で米国のプロジェクトに1000億ドルを投資すると約束した。これはドナルド・トランプ大統領との良好な関係構築を目指す企業経営者による一連の同様のコミットメントの一環。
米政府による出資の仕組みや条件は最終決定していないが、この協議は首都ワシントンでのインテルを巡る展開に劇的な一幕を加えることになる。