米実業家イーロン・マスク氏は、新党結成の計画について静かにブレーキをかけている。計画を知る複数の関係者が明らかにした。マスク氏は、自身の企業に専念したい考えを盟友らに伝え、共和党票を奪いかねない第3政党を結成して有力共和党議員を遠ざけることには消極的な姿勢を見せているという。これは、米国の二大政党に不満を持つ有権者を代表する「アメリカ党」を結成すると表明した先月初旬からの方針転換を意味する。米電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(CEO)であるマスク氏は政党結成を検討する中、MAGA(米国を再び偉大にする)運動の後継者候補と広く見られているJD・バンス副大統領との関係維持などに注力してきた。関係者らによると、マスク氏はここ数週間、バンス氏と連絡を取り続けており、新党結成を進めれば同氏との関係が損なわれるだろうと協力者に認めている。