米アマゾン・ドット・コムはようやくオンライン食料品事業での成功の鍵を見つけたのかもしれない。ただそれだけでは、「ライバル一掃セール」を宣言できることにはならない。ネット通販大手のアマゾンは年間売上高が6700億ドル(約99兆円)を超えるものの、食料品分野ではこれまで脇役に甘んじてきた。調査会社ニュメレーターによると、米国の食料品市場でのアマゾンのシェアは3%程度にとどまる。これは、2017年に137億ドルで食品スーパーのホールフーズ・マーケットを買収し、その後も「アマゾン・フレッシュ」ブランドの店舗を60カ所以上展開してきた上での数字だ。食料品市場の規模を考えれば、アマゾンがこれで満足できるわけがない。同社はまた、すでに巨大化している既存事業で新たな成長分野を見いだす必要性に迫られている。