
脳卒中、認知症、老年期うつ病は
17個のリスク因子を共有
脳卒中、認知症、老年期うつ病は17個のリスク因子を共有しており、これらの因子のうちの一つでも改善すれば、3種類の疾患全てのリスクが低下する可能性のあることが、新たな研究で示唆された。
米マサチューセッツ総合病院(MGH)脳ケアラボのSanjula Singh氏らによるこの研究結果は、「Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry」に4月3日掲載された。
研究グループによると、脳卒中の少なくとも60%、認知症の40%、老年期うつ病の35%は修正可能なリスク因子に起因しており、これらの疾患が共通の病態生理学的背景を持つため、リスク因子にも多くの重複が見られるという。
Singh氏らは、論文データベースから、修正可能なリスク因子が脳卒中、認知症、老年期うつ病の発症に及ぼす影響について検討したメタアナリシスを182件抽出。その中から最も関連性の高い59件のメタアナリシスのデータを用いて、これら3疾患の複合アウトカムに対するさまざまなリスク因子の影響の大きさを、障害調整生存年数(DALY)で重み付けして算出した。
その結果、脳卒中、認知症、老年期うつ病のうち2つ以上に共通する修正可能なリスク因子として、飲酒、血圧、BMI、空腹時血糖、総コレステロール、余暇の認知的活動(パズルなど)、抑うつ症状、食事、難聴、腎機能、痛み、身体活動、人生における目的、睡眠、喫煙、社会との関わり、ストレスの17個が特定された。