「仕事がしんどくて限界だったが、これ読んで心底、救われた」
そんな読者の声がたくさん集まる、NewsPicksパブリッシング創刊編集長・渾身の初著書『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考』。
本書はまず、今の社会がビジネスパーソンに暗に求めてくる「理想的な個人像」を明らかにする。これ、全部できますか? (構成/ダイヤモンド社・今野良介)
ちょ、待てよ
現代における、「強いビジネスパーソン像」、つまり経済的に求められる理想の人間像とはどんな人間だろう?
いくつか、思いつくままに挙げてみたい。
・周囲の状況に左右されず「いつでも、どこでも、誰とでも」働けること
・感情を適切にコントロールできること
・よりよい自分へ成長したいという意欲を持っていること
・思ったことをはっきり言えること
・変化を歓迎し、柔軟に対応できること
・何か問題が生じたときは他責にせず、自責思考で行動すること
・プライベートで起こったことで、仕事のパフォーマンスを落とさないこと
・感情を適切にコントロールできること
・よりよい自分へ成長したいという意欲を持っていること
・思ったことをはっきり言えること
・変化を歓迎し、柔軟に対応できること
・何か問題が生じたときは他責にせず、自責思考で行動すること
・プライベートで起こったことで、仕事のパフォーマンスを落とさないこと
どれもがかつては「当たり前」と考えていたことだ。
そしてうつになって体力が減り、体調・感情の波に振り回されるようになって、できなくなったことだ。
……それで、
いま、
思うの
だが、
「ビジネスの世界が前提とする個人像、強すぎんか?」

この疑問は僕の体感から生まれた、弱音であり泣き言だ。
ただ、今振り返れば、発症前の僕はこの「強すぎるビジネスパーソン像」になるため必死に自分を律し、自己コントロールしようとしていた。
そして弱くなって、いまさら気づいた。
多くの人が、見えづらい苦しさを抱えながら、平気なふりをしてなんとか日々をやり過ごしている。
何があっても、傍からはいつもの自分に見えるように必死に「ふつう」を演じている(そもそも、すべての女性はホルモンバランスの変動があるのに、一定のパフォーマンスを求められる)。
『弱さ考』は、なぜこのような強すぎる個人像を求められる社会になったのか、その中で僕のような「弱くなった」人間はどのように生きていけばいいのかを考えた本だ。
(※本記事は、書籍『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考』の内容の一部を編集して掲載したものです)

井上慎平(いのうえ・しんぺい)
1988年大阪生まれ。京都大学総合人間学部卒業。ディスカヴァー・トゥエンティワン、ダイヤモンド社を経て2019年、ソーシャル経済メディアNewsPicksにて書籍レーベル「NewsPicksパブリッシング」を立ち上げ創刊編集長を務めた。代表的な担当書に中室牧子『学力の経済学』、マシュー・サイド『失敗の科学』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、北野唯我『転職の思考法』(ダイヤモンド社)、安宅和人『シン・ニホン』(NewsPicksパブリッシング)などがある。2025年、株式会社問い読を共同創業。
1988年大阪生まれ。京都大学総合人間学部卒業。ディスカヴァー・トゥエンティワン、ダイヤモンド社を経て2019年、ソーシャル経済メディアNewsPicksにて書籍レーベル「NewsPicksパブリッシング」を立ち上げ創刊編集長を務めた。代表的な担当書に中室牧子『学力の経済学』、マシュー・サイド『失敗の科学』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、北野唯我『転職の思考法』(ダイヤモンド社)、安宅和人『シン・ニホン』(NewsPicksパブリッシング)などがある。2025年、株式会社問い読を共同創業。