「仕事がしんどくて限界だったが、これ読んで心底、救われた」
そんな読者の声がたくさん集まる、NewsPicksパブリッシング創刊編集長・渾身の初著書
『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考
本書はまず、今の社会がビジネスパーソンに暗に求めてくる「理想的な個人像」を明らかにする。これ、全部できますか? (構成/ダイヤモンド社・今野良介)

ちょ、待てよ

現代における、「強いビジネスパーソン像」、つまり経済的に求められる理想の人間像とはどんな人間だろう?

いくつか、思いつくままに挙げてみたい。

・周囲の状況に左右されず「いつでも、どこでも、誰とでも」働けること

・感情を適切にコントロールできること

・よりよい自分へ成長したいという意欲を持っていること

・思ったことをはっきり言えること

・変化を歓迎し、柔軟に対応できること

・何か問題が生じたときは他責にせず、自責思考で行動すること

・プライベートで起こったことで、仕事のパフォーマンスを落とさないこと

どれもがかつては「当たり前」と考えていたことだ。

そしてうつになって体力が減り、体調・感情の波に振り回されるようになって、できなくなったことだ。

……それで、

いま、

思うの

だが、

「ビジネスの世界が前提とする個人像、強すぎんか?」

【もはや超人】理想的なビジネスパーソン7条件Photo: Adobe Stock

この疑問は僕の体感から生まれた、弱音であり泣き言だ。

ただ、今振り返れば、発症前の僕はこの「強すぎるビジネスパーソン像」になるため必死に自分を律し、自己コントロールしようとしていた。

そして弱くなって、いまさら気づいた。

多くの人が、見えづらい苦しさを抱えながら、平気なふりをしてなんとか日々をやり過ごしている。

何があっても、傍からはいつもの自分に見えるように必死に「ふつう」を演じている(そもそも、すべての女性はホルモンバランスの変動があるのに、一定のパフォーマンスを求められる)

『弱さ考』は、なぜこのような強すぎる個人像を求められる社会になったのか、その中で僕のような「弱くなった」人間はどのように生きていけばいいのかを考えた本だ。

(※本記事は、書籍『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の 弱さ考』の内容の一部を編集して掲載したものです)

【もはや超人】理想的なビジネスパーソン7条件
井上慎平(いのうえ・しんぺい)
1988年大阪生まれ。京都大学総合人間学部卒業。ディスカヴァー・トゥエンティワン、ダイヤモンド社を経て2019年、ソーシャル経済メディアNewsPicksにて書籍レーベル「NewsPicksパブリッシング」を立ち上げ創刊編集長を務めた。代表的な担当書に中室牧子『学力の経済学』、マシュー・サイド『失敗の科学』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、北野唯我『転職の思考法』(ダイヤモンド社)、安宅和人『シン・ニホン』(NewsPicksパブリッシング)などがある。2025年、株式会社問い読を共同創業。