TOEIC800点でも「交渉できない人」が変わる!ネイティブに刺さる「7つのルール」写真はイメージです Photo:PIXTA

そこそこ英語力があるつもりなのに、いざ国際交渉の場に出ると全く歯が立たない……実は、英語力の不足というよりも「文化的なビジネス感覚のズレ」を理解していないのが原因です。欧米でもアジアの非ネイティブ圏でも、英語でビジネス上手になるリテラシーを磨く、7つの具体的なスキルと英文例を紹介します。(シンプルイングリッシュ提唱者 酒井一郎)

「英語が話せる」日本人が陥りがちな
“文化の落とし穴”と英語圏のリアル

 TOEIC800点台で英語でのオンライン会議もこなせるAさん。「君なら大丈夫だね」と周囲の期待を背負い、会社を代表してグローバルな展示会に初出展することになりました。展示会場では、興味を持ってくれた相手との具体的な交渉が可能です。先行するライバル企業がこの展示会をきっかけに海外進出していたこともあり、負けてはいられません。

 鼻息荒く、現場に挑んだAさん。英会話の特訓を積んできました。ところが、いざ交渉の場に出てみると、なぜか話が噛み合いません……。特訓した通りに説明しても、誤解されたり、提案がスルーされたり、「君が本当に国際ビジネスの責任者なの?」と冷たい言葉を投げかけられたりもしました。

 そこそこ英語力のある日本人ビジネスパーソンが、いざ交渉の場に出ると全く歯が立たないというのは、よくある話です。いったい、何が原因でしょうか? 実は、英語力の不足というよりも、「文化的なビジネス感覚のズレ」があるのです。

 日本人が国際ビジネスでやりがちな失敗は、英語が話せることで油断して、相手の文化的前提を理解しないままコミュニケーションを進めてしまうのです。

 特に、英語を母語とするネイティブ圏とのビジネスシーンでは、このズレが顕著に表れます。主に以下の国々では、「明確さと主張」が信頼を生みます。

 これらの国々では、率直で明確な意思表示が「信頼の証」とされます。逆に、遠回しな言い方や曖昧な態度を取っていては、「信用できない」と思われる可能性が高いです。日本人が陥りがちな典型的な4パターンは以下の通りです。