「管理職になることができた!」「会社の人間関係がラクになった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

現場を混乱させる「ふわっとした言葉」
部下が動けない原因の多くは、リーダーの指示が曖昧すぎることにあります。
とくに、以下のような言葉は要注意です。
ワースト5:「いい感じに頼む」
「いい感じ」とは何か?
基準が明示されていないこの言葉は、部下に丸投げしているのと同じです。
結果的に「思ってたのと違う」とダメ出しされる悪循環が起きがちです。
ワースト4:「ちょっと調べておいて」
「ちょっと」の範囲が不明確なため、部下はどこまでやればいいかわからず、無駄な作業を生みます。
工数も成果も中途半端になる典型例です。
ワースト3:「あとで見るからやっといて」
「あとで」と言いながら、確認がいつになるか不明で、部下は手戻りに怯えることになります。
責任を曖昧にする典型的な回避フレーズです。
ワースト2:「臨機応変に対応して」
裁量が必要な仕事においてすら、判断基準を与えずに「臨機応変に対応して」で済ませるのは、育成放棄と変わりありません。
経験の浅い部下ほど、放置された感覚に陥ります。
ワースト1:「とりあえずお願い」
何を、いつまでに、どのレベルでやるのかがまったく伝わらない「とりあえずお願い」は、指示として成立していません。
現場を混乱させる最悪のフレーズです。
仮面をかぶり、言語化に徹する
リーダーの役割は「意志を伝えること」ではなく「意図を言語化すること」です。
感情を脇に置いて仮面をかぶり、冷静かつ具体的に伝える姿勢こそが、現場を動かす鍵になります。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。