初公開!越境融資でメイン先企業を倒産させた金融機関ランキング#6Photo:ermess、MAZNEVGENNADY/gettyimages、PIXTA

地元での融資が頭打ちとなる中、地方銀行や信用金庫は県境を越えて営業エリアを広げている。だが、土地勘や情報力に乏しい県外では審査が甘くなり、貸し倒れに至るケースも少なくない。では、全国の金融機関は越境融資によって、どれだけのメイン先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部は独自調査により金融機関ごとの越境倒産件数を集計し、実名で初公開する。特集『初公開!越境融資でメイン先企業を倒産させた金融機関ランキング』(全8回)の#6は、九州・沖縄地方の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

地銀や信用金庫をむしばむ
人口減と経済縮小の構造不況

 もはや、地元のパイを分け合うだけのビジネスモデルは限界だ。人口減少と地域経済の縮小という名の構造不況が、地方銀行や信用金庫をむしばんでいるからだ。

 活路を求めた彼らは、県境を越えて未知の市場へ向かう。「越境融資」という名の新たな収益源の開拓である。

 金融庁のデータもその現実を裏付ける。第一地銀の貸出先の約6割、第二地銀でも約4割が、すでに県外企業だ。だが、その賭けには大きな落とし穴が待っている。地元で絶対的な強みだったはずの情報網や土地勘は、県境を越えた途端に無力化する。結果、審査は甘くなり、貸し倒れリスクは増大する。

図表:越境融資でメイン先企業を「倒産」させた金融機関ランキング 九州地方・沖縄

 本特集は、この「越境リスク」という不都合な真実に光を当てるべく、本店所在地以外で倒産させたメインバンク先の社数を独自に集計。どの金融機関が、そのリスク管理に失敗しているのかを検証する。

 初公開となる実名ランキングの第6弾は、九州・沖縄地方が舞台だ。福岡銀行が8位、鹿児島銀行が4位と大手地銀が名を連ねる中、越境倒産比率が圧倒的に高い金融機関が判明した。その内訳を次ページで詳らかにする。