
活況を呈していたインドネシアの建機市場で異変が起きている。石炭価格の下落とインフラ投資の縮小で需要そのものが目減りしている上に、中国メーカーのシェア拡大が続き、日系建機メーカーには逆風が吹いているのだ。本稿では、コマツ、日立建機が直面しているシェア争奪戦の最新情勢を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)
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東南アジアの最大市場で起きている異変
日系建機メーカーのシェア低下の背景は
「インドネシアと日本以外はそれほど心配していない」。コマツの堀越健CFO(最高財務責任者)は、2025年度第1四半期の決算説明会で、米国のトランプ政権の関税政策を踏まえた業績見通しを問われてこう話した。
建設機械・車両の部門は、値上げによる効果で営業利益ベースで149億円のプラスだったが、円高による150億円のマイナスが打ち消した。通期で3割減益になるという見通しは据え置いた。
建機の日本市場が比較的厳しいのは、新型コロナウイルス感染拡大の時期に需要が大きく下がらなかったことから、反動需要が少ないためだ。日本よりも気がかりなのはインドネシア市場だという。
油圧ショベルなどの一般建機と、超大型のダンプトラックなどの鉱山機械、両方の需要が旺盛な米国は建機の最大市場だ。その米国が表の主戦場とすると、インドネシアは裏の主戦場といえる。
首都移転に伴うインフラ投資、大規模農業プランテーションの開発案件、石炭とニッケルの鉱山を擁していること、人口が増加していて開発の余地が大きいこと――。これらの好条件がインドネシアを東南アジアの最大市場たらしめてきた。
建設業はGDP(国内総生産)の約10%を占める。この市場での収益を少しでも伸ばすべく、コマツや日立建機など日系建機メーカーはシェア拡大に努めてきた経緯がある。
ところが、ここにきてインドネシアの建機需要は落ち込みを見せている。要因は、石炭価格の下落と政府の輸出価格規制、インフラ投資の縮小だ。ここ数年、東南アジア市場をけん引してきたインドネシア市場に陰りがでているのだ。さらに、価格が安いSANY(三一重工)をはじめとする中国メーカーのシェア拡大が響いている。
次ページでは、インドネシア市場の日米中の建機メーカーのシェア推移と最新情勢を明らかにする。