「スマホを見ていたらあっという間に2時間経ってた…」「あっという間に1日が過ぎていく」。スマホやSNSが蔓延っている今、そう感じたことはありませんか?
『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』の発売を記念して、年間200冊を手がけることもあるほど超人気かつ超多忙なデザイナーであり、著書『時間のデザイン』も刊行された井上新八さんに、特別に話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

「とにかく仕事ができる人」のヤバい生活習慣Photo: Adobe Stock

Q.毎日忙しすぎて、タスクが終わらないまま繰り越してしまいます。

 日々の予定に追われ、気付けば1日が雑務だけで終わってしまいます。翌日にタスクを持ち込まないために、効率よくタスクを終わらせる方法はありますか。

「終わらなかった」を作らない

井上新八氏(以下、井上氏) 本のデザインの仕事だけでいうと、ぼくは年間で180冊程度担当しています。常に40件前後の案件が並行している感じです。

 これは、2日に1冊のペースでカバーデザインを考えることになります。

――膨大な量の仕事をどうやって捌いているんですか?

井上氏 メールに関しては、全部「素振り」だと思ってすぐ打ち返すようにしています。

 あとは、特別なことはしていないですが、必ず「その日自分が見たい映画の時間までに、仕事を終わらせる」と決めていますね。

――え、もし終わらなかったらどうするんですか?

井上氏 そういう状況は本当に滅多にないですね。

 万が一あったときは、普通に諦めて映画館に行きます(笑)。そして、残ったタスクは翌朝いちばんに処理します。

 でもぼくは、映画を優先することを自分に許しているんです。そう決めているから、仕事中は集中できるし、スイッチを切り替えられるんですよ。

予定を「ブロック」する

――つまり「映画に行く」という予定をあらかじめブロックしているんですね。『とっぱらう』に予定を「ブロック」するという戦術があります!

戦術:予定を「ブロック」する
 毎日「自分のための時間」を確保する。
 この戦術を初めて使うときは1日に1、2時間のブロックから始め、様子を見ながら増やしたり減らしたりしていこう。

――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

井上氏 そうですね。ぼくの場合、どんなに忙しくても、映画の予定は崩さない。だから自然と、その前にすべきことを終わらせようと動けるのかもしれません。

 あらかじめ予定をブロックしておくだけで、無理に「効率よくしなきゃ」と思わなくても、自然とよくなると思います。

「とにかく仕事ができる人」のヤバい生活習慣井上新八(いのうえ・しんぱち)
1973年、東京生まれ。和光大学在学中に独学でブックデザイン業を始める。大学卒業後は新聞社で編集者として働き、2001年にフリーランスのブックデザイナーとして独立。年間200冊近くの本をデザインしている。担当した書籍は『覚悟の磨き方』『自分とか、ないから。』(サンクチュアリ出版)『運動脳』(サンマーク出版)など多数。著書の最新刊は『時間のデザイン』(サンクチュアリ出版)。
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