「うそやろ、ここ神戸!?」三宮から10分、東山商店街のタイムスリップ感がヤバい【フォトルポ】洋服、仏具、お好み焼き店、生鮮食品、お菓子、そしてパチンコ屋まで揃っている東山商店街。子どもから大人まで、行けば一日楽しめる

神戸・三宮から地下鉄でわずか3駅の湊川公園駅のそばに、東山商店街がある。観光地としての神戸とは異なる濃密な空気を放つ空間だ。初めて訪れる人は、威勢のいい呼び込みや人いきれに驚かされるかもしれないが、そこには「昭和」の魅力が今なお息づいている。そんな現地を、写真と文章で切り取った“フォトルポ”で紹介する。(取材・撮影/フリージャーナリスト 秋山謙一郎)

令和から昭和へタイムスリップできる商店街

 異人館、南京町、ポートタワー――お洒落な港町というだけが神戸ではないようだ。

「さあ、そこのカッコいいお兄ちゃん、今日、今、ついさっきお兄ちゃんのために釣ってきたばかりの魚やで。お兄ちゃんに食べてもらうために釣ってきた魚や。これ買わなんだら一生の恥やで。ええか、恥は心に耳と書く。魚屋の真心に耳傾けたってえや!」

 ふらっと市場を歩く筆者に、こう声を掛けるのは神戸市兵庫区にある「東山商店街」のとある魚屋さんだ。

 元気のいい魚屋さんの声掛けについつい聞き惚れて財布の紐が緩みそうになる。そこをぐっと堪えてさらに歩き進めると、また別の魚屋さんが客に声を掛けていた。

「そこの綺麗なお姉さん、あんたやあんた。こっちやこっち。ほら、目が合うた! さあ、今日、お姉さんのために釣ってきた魚いっぱいやで。これ食べさせたらお家で待ってるご主人も喜ぶで。さあ買うてや!」

 そこかしこでこんな声が聞こえてくる。令和の時代にもかかわらず昭和を彷彿とさせるあまりにも濃すぎる雰囲気に思わず足が止まってしまう。

 しかも驚くことにここは神戸の繁華街として知られる三宮駅から神戸市営地下鉄に乗ること約5分。3駅目となる湊川公園駅で降りて歩くこと約5分程度の場所に位置する。合わせて10分足らずで令和から昭和へとタイムスリップできるといえば言い過ぎか。

「うそやろ、ここ神戸!?」三宮から10分、東山商店街のタイムスリップ感がヤバい【フォトルポ】東山商店街の入り口のひとつ。神戸の繁華街、主に元町より西に位置する兵庫区、長田区、須磨区の人たちにとっては「神戸の台所」として長く親しまれている