コロナ禍以降、ビジネスパーソンに「若くても難聴」が増えている
「ただ、近年は若い方でも難聴になる人が増えています。WHO(世界保健機構)は若者(12歳~35歳)の半数にあたる11億人が難聴になる危険性が高いと警告。また、2050年には世界で25億人が難聴になると予測しています」(以下、カッコ内の発言はすべて木村先生)
若者のリスクが高まっている要因は、イヤホンやヘッドホンを使って音楽を聴く時間が長いから。また、オペレーターやホールスタッフなど、仕事で日常的にヘッドセットやインカムを使っている人も難聴になるリスクが高くなります。さらに工場や工事現場など騒音が大きな場所で仕事をしている人も要注意。意外なところでは耳のそばで常に音が鳴っているバイオリニストなども難聴になりやすいそうです。
「コロナ禍になってからオンラインミーティングをするようになったビジネスパーソンも多いですよね。人によっては仕事の大半の時間がイヤホンを使用してミーティングという人もいるはずです。そのため、これまでは比較的難聴になるリスクが低かった職業の人も、難聴になるリスクにさらされるようになっているのです」
木村先生によると、次のリストで一つでもチェックがついた人は難聴や耳鳴りに苦しむ可能性があるとのこと。ちなみに私は7つの項目にチェックが入りました……。
□人の話を聞き返すことが増えた。
□「声が大きくなった」と周りの人に言われる。
□1日3時間以上連続で、テレビでドラマなどを見ている。
□工事現場、BGMの大きな居酒屋、ライブハウスなどで働いている。
□仕事でインカムをよく使っている(使っていた)。
□1日2時間以上連続でイヤホンやヘッドホンを着けている。
□親戚に難聴の人がいる。
□健康診断で生活習慣病を注意されたことがある。
□タバコを長年吸っている。
□週3回以上お酒を飲む。
□甘いものが大好きで毎日食べる。
□ストレスを感じることが多い。
「難聴になる原因の一つに、血流の悪さが挙げられます。そのため太り気味の体型や、生活習慣病になりやすい生活をしている人は難聴や耳鳴りになるリスクがあるといえます。また、イライラしやすい人やいつもピリピリしている人、飲酒や喫煙、夜ふかしなどの不摂生も耳にとって良いことではありません。かといって、お酒を飲むことを一切やめなさいと言うつもりはありません。楽しく適量でお酒を飲んでストレス発散するのも大事な時間ですからね。ただ、リスクはあるよということは知っておいてほしいと思います」