
スズキの新戦略が続々
技術発表会に初EV発表
スズキの“中興の祖”である鈴木修元会長が昨年のクリスマスの12月25日に逝去されて以降、年が明けた2025年から、「鈴木俊宏スズキ体制」による30年代に向けた経営戦略・技術戦略が続々と打ち出されている。
スズキは9月9日、鈴木俊宏社長以下同社の技術陣の各本部長クラスを一堂に集めて「技術戦略説明会2025」を開催した。昨年もスズキは技術戦略説明会を開催したが、今回は俊宏体制を前面に打ち出す狙いもあり、各領域の技術本部長を勢ぞろいさせた形だ。「チームスズキ」を強調するかのように、壇上では俊弘社長を囲む10人が質疑応答を行った。
この中でスズキは、環境・エネルギー問題、人々の移動に関わる社会課題に対し、スズキらしさを発揮しながら積極的に取り組むことで30年代を生き抜く方針を強調した。
まず、軽自動車をベースに生き抜いてきたスズキとして、「安価で身近な車」の技術を徹底していく方向を改めて明確にした。「適材適所な車の在り方」の追求として、エネルギー極小化のための、バッテリーリーン(バッテリーが必要最小限)なBEV(バッテリー電気自動車)・HEV(ハイブリッド車)の開発を進めるほか、車体重量についても「100kgの軽量化への挑戦」を目指しており、性能を担保しながら「ちょうどいい」全体最適を進める。