AIの回答>

 これらのアイデアに対する妥当性(実現可能性など)の評価は以下のとおりです。

1. シークレットパスウェイホーム:評価8
 理由:
隠し通路を備えた家のデザインは技術的に実現可能です。しかし、コストと構造的複雑性が増加するため、一般的な住宅建築よりも高価で専門的な設計が必要になります。

2. 屋根裏部屋とハンモック:評価9
 理由:屋根裏部屋の設計とハンモックの設置は比較的簡単で、一般的な住宅でも実現可能です。リラクゼーションスペースとしての利用は、多くの人にとって魅力的で実現しやすいアイデアです。

3. 静寂を約束する部屋:評価7
 理由:高い遮音性能を持つ部屋の設計は可能ですが、完全な静寂を保証することは難しいかもしれません。また、遮音材料と工事によってコストが増加する可能性があります。

4. 多機能スペースとVR/AR専用部屋の統合:評価8
 理由:VR/AR技術との統合は技術的に可能で、とくに現代のスマートホームにおいては実現可能性が高いです。しかし、コストと技術の進化を考慮する必要があります。

5. 自動車とつながる部屋:評価6
 理由:自動車と直接つながる部屋は、特定の住宅設計や地域での実現が可能ですが、一般的な住宅では実現が難しいかもしれません。また、安全規制や建築基準の面で課題があります。

「屋根裏部屋&ハンモック」案の評価が高かったですね。おそらくAIは住宅アイデアにおける「妥当性」として、「実現可能性」だけでなく「住まいとしての長期間での魅力や使いやすさ」も含めて考えたと思われます。アイデアごとの説明が少なめでしたので、もう一段、二段、具体的な内容を入力していると採点結果はまた違うかもしれません。

「とりあえず評価と順位が出てきたね。ふんふん、そうか……これって、居住快適性とかを指標に入れれば、もっと違った結果になるのかな?」と、自分の中で評価の軸や基準がカタチになり始めます。そこから「きっとAIが出してきたのが一般的には妥当な回答なんだろうけど、評価が低かった選択肢も、自分としてはちょっと捨てがたいな。よし、評価軸をアレンジしてみよう」と、自分らしい評価軸を反映して、再度聞いていきましょう。

 また、誰の観点から「妥当と評価」しているのかによっても点数・順位は変わります。この例がまさにそうですが、妻と夫でも観点は違いますし、初めて自宅を建てる家族と2軒目の家族でも違うはずですよね。それでも回答を出してくれるのがAIの良いところです。この採点結果と、それに対する自身の感情を基準として「妥当性」の指すところを調整していきます。

 2回目、3回目のやりとりでは「建築家の観点から」「なるべく費用を抑えたい施主の観点から」「この家で生まれ育ち巣立っていく子どもの観点から」「地震や火災のリスクの観点から」など、違う観点での評価依頼をプロンプトに入力すると、また違った結果が出るでしょう。

 なお、こうした「セカンドオピニオン」を聞きたいときは、AIがこれまでに出した評価に引っ張られないよう、新しいスレッドで聞くことをおすすめします。では、やってみましょう。

<AIへの質問>

 建築家の観点から、これまでのアイデアについて、妥当性(実現可能性など)を1~10で評価してください。最高が10です。評価の理由も教えてください。

シークレットパスウェイホーム(プライバシーを重視する家族。隠し通路を備えたユニークな家のデザイン。家族のプライバシーを保ちつつ、ホームパーティーなどで来客に驚きを与える要素を提供)
屋根裏部屋とハンモック(アニメ映画作品で見たような屋根裏部屋を設計し、そこにハンモックを設置します。風通しの良いこのスペースは、リラックスや休息のための理想的な隠れ家となります)
うるさい選挙カーが来ても大丈夫、入れば静寂が約束されている部屋
多機能スペースとVR/AR専用部屋の統合(多機能スペースをVR/AR体験に最適化することで、ホームオフィス、工房、またはリビング兼ダイニングルームとして使用する際にも、簡単にVR/AR空間に変換できるようにします。たとえば、可動式パーティションを使ってスペースを分割し、必要に応じてVR/AR体験エリアとして活用できるようにします)
自動車とつながる部屋

誰の観点か」を追記して、5つのアイデアを再掲。さて、回答はどのように変わるでしょうか。

AIの回答>

 これらのアイデアに対する評価を建築家の観点から行うと、以下のようになります。

1. シークレットパスウェイホーム
 評価:7/10
 理由:隠し通路を備えた家のデザインは技術的に実現可能です。しかし、建築基準法や安全基準を満たすための設計が必要で、家の構造に大きな変更を加える可能性があります。プライバシーとサプライズの要素は魅力的ですが、コストと安全性が主な考慮事項になります。

2. 屋根裏部屋とハンモック
 評価:9/10
 理由:屋根裏部屋の改装やハンモックの設置は比較的簡単で、多くの家で実現可能です。風通しの良いリラックススペースとしての機能は、住居の快適性を高めるでしょう。ただし、屋根裏の構造強度を考慮する必要があります。

3. 静寂が約束されている部屋
 評価:8/10
 理由:防音材料を使用した部屋の設計は実現可能です。選挙カーなどの外部騒音を遮断することは、都市部における住居の質を向上させることができます。しかし、完全な防音は高コストとなる場合があります。

4. 多機能スペースとVR/AR専用部屋の統合
 評価:8/10
 理由:可動式パーティションを使用してスペースを柔軟に分割するアイデアは技術的に可能で、VR/AR体験に適した空間を作ることも実現可能です。ただし、高品質なVR/AR体験を提供するためには、適切な機器と照明の設置が必要です。

5. 自動車とつながる部屋
 評価:6/10
 理由:自動車を直接部屋に接続するデザインは革新的ですが、実現には多くの課題があります。車両の排気ガスの問題、家の構造への影響、安全規制の遵守など、考慮すべき要素が多く、実現が難しい場合があります。

 各アイデアの実現可能性は、予算、安全基準、現地の建築規制などの多くの要因によって左右されます。

 ハンモック案への評価は変わりませんでしたが、「手堅い感じから、かなり無茶な感じまでの色分け」が見える化できた状態になりました。

 ここまで整理がついていると、家づくりの初心者でも、やみくもに妄想や“ポエム”を伝えるのではなく、「やりたいアイデアをいったん全部あげてみて、それぞれ妥当性に応じて順位をつけています」と現実的な話として提示できますね。
 ハウスメーカーや建築家にしても、突飛なことから無茶なことまでがごちゃまぜに並んでいるものを見せられるより、だいぶ検討されているように感じるでしょう。スムーズにアイデア・ディスカッションが進みそうです。

 技法その27「妥当性の検証」、ぜひ活用してみてください。

(本稿は、書籍『AIを使って考えるための全技術』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。この他にも書籍では、AIを使って思考の質を高める56の方法を紹介しています)