格納できる荷物のサイズは、「James mW」が縦40×横44×高さ26cm、「James W」は縦39×横53×高さ36cmまでで、どちらも荷物を2個まで格納可能とし、耐荷重は1個あたり30kgとなる。また、スマート宅配ボックス「W-Station(ダブルステーション)」は送り状を読み取って配送先を自動判断し、自動配送ロボットと連動して自動で荷物の受け渡しが可能。最大で35個までの荷物を格納できる。
宅配ボックスがロボに配送指示
日時指定や置き配に対応
具体的な実証の流れでは、常駐スタッフがマンション内のスマート宅配ボックスに荷物を格納し、荷物のサイズと送り状に記載された配送先情報を読み取らせると、受取人にメールが送信される。そのメールに記載されたURLから、受取人が受け取り方法や日時を指定すると、スマート宅配ボックスが自動配送ロボットに配送を指示。指示を受けた自動配送ロボットは、スマート宅配ボックスから荷物を受け取り、ロボットアームを用いてオートロックの解錠やエレベータの操作を行って、配達先へと向かう。
自動配送ロボットが配達先に到着したら、受取人にメールで通知。受取人が対面での受け取りを希望していた場合は解錠用パスワードを通知し、チャイムを鳴らす。受取人はメールに記載された解錠用パスワードを入力し、自動配送ロボットから荷物を取り出す。非対面での受け取りを希望した場合は、玄関ドア前に置き配する。
都内タワマン、関西圏でも予定
他配送業者の荷物にも対応へ
記者会見で、ヤマト運輸宅配便部長の久保田亮氏は「ロボットの力を借りることで、これまで人間による配送では対応できなかった部分で、お客様に利便性を感じていただけるのではないか」とコメント。実証実験の様子を見て、「居住者の方に気を使っていただくような場面もあり、実用性だけでなくお客様に受け入れてもらえるかを含めて実証していきたい」と述べた。また、WATTの崔社長は、「日本のマンションの廊下などは、韓国に比べて道幅が狭く衝突の危険性が高い」と今後の課題を示した。
両社は10月から12月にかけて、都内のタワー型高層マンションでも実証を予定。今後は26年中の実用化に向け、実証地域を関西圏にも拡大していくほか、時間帯指定対象外となる深夜・早朝の配送や他の宅配事業者および他業界の荷物を配送する仕組み作り、より大型の荷物を格納できるロボットの導入についても検討を進めていく。

