米国は、最大の自由貿易協定(FTA)である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉を開始する準備を進めている。米通商代表部(USTR)は今後1カ月以内に、USMCAの再交渉についてパブリックコメント(意見公募)を開始する。2020年のUSMCA施行法に基づき、パブリックコメントは10月4日までの実施が義務づけられている。事情に詳しい複数の関係者によると、企業や労働組合からの意見募集は早ければ今週中に開始される可能性がある。ただし、ドナルド・トランプ大統領の政権チームはこれまでも関係者に対して意見募集の開始が近いと示唆しつつ、開始時期を先送りしていた。パブリックコメントの開始は、トランプ氏が2020年に署名し、6年後の見直しが義務付けられているUSMCAの再交渉における公式な最初のステップとなる。再交渉のプロセスは数カ月に及ぶ可能性が高い。米政権は意見公募後、少なくとも1回の公聴会を開催し、2026年1月までに議会に報告することが義務付けられている。その後、26年7月1日までにUSMCAを巡り初の3カ国間会合を開く予定だ。