「意識高い系」にも「意識低い系」にもなりたくない人にオススメの考え方・ベスト1とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「意識高い系」の限界
かつての社会では「意識高い系」と「意識低い系」という二分法が広く語られてきました。
しかし、今日の環境はこの二極化では説明できません。
過度な競争至上主義も、過剰なリラックス志向も、どちらも現代の課題に対応できなくなっているのです。
必要なのは、その中間にある新しいスタイルです。
新自由主義の拡大とともに、「理想を高く掲げ、グローバル競争に挑む」という意識高い系の生き方が広まりました。
確かに、自己実現やスキルアップを重視する姿勢は多くの人を刺激しました。
しかし、競争が激化するにつれ、勝者と敗者の差が明確になり、脱落する人が増えました。
結果として「がんばれば報われる」という物語が通用しなくなったのです。
「意識低い系」の光と影
一方、コロナ禍をきっかけに広まった「がんばらなくてもいい」という意識低い系のスタイルは、多くの人に癒しをもたらしました。
無理をせず、自分らしく過ごすことが尊重されるようになったのです。
しかしその裏で、社会との接点を失い、孤立する人が増えたことも事実です。
「頑張らないこと」が目的化してしまえば、成長の機会は閉ざされてしまいます。
二極化を超える新しい指針
社会が正常化しつつある現在、「意識高い系」も「意識低い系」もそれぞれの弱点を露呈しました。
激しい競争に疲弊するか、怠惰に流されて停滞するか。
どちらも持続可能ではありません。
いま必要なのは、両者を相対化し、第三の道を探る姿勢です。
それが「ゆるストイック」という新しいスタイルです。
自分に必要なことを淡々と続け、他者に強制しない柔らかさを備えることが、新しい時代の羅針盤になるのです。
「意識高い系」と「意識低い系」という二項対立は、現代の複雑な社会を説明しきれなくなっています。
極端に振れるのではなく、自分のペースで継続しながらも柔軟さを失わない生き方が求められます。
そのバランスこそが「ゆるストイック」です。
私たちもまた、両極端に振り回されず、ゆるストイックに生きましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。