「がんばらなくていい」と言ってくるクズへの対処法・ベスト1とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

癒しとしての「がんばらなくていい」
コロナ禍は、多くの人の働き方や価値観を大きく変えました。
その中でも象徴的だったのが「がんばらなくていい」というメッセージの広がりです。
この考え方は、疲弊していた人々に癒しを与える一方で、長期的には停滞や孤立を招くリスクも孕んでいました。
功と罪を整理し、次の時代に生かす視点が求められます。
長時間労働や競争に疲れた人々にとって、「がんばらなくてもいい」という言葉は救いでした。
プレッシャーから解放され、リモートワークやスローライフを楽しむ人が増えたことは確かにプラスの側面です。
精神的な回復や、家族・趣味との時間の再発見は、社会に必要なバランスをもたらしました。
しかし、足を引っ張る目的で「頑張らなくていいよ」と言ってくるクズもいるのです。
停滞を招く副作用
「がんばらなくてもいい」が目的化すると、成長の機会を自ら閉ざすことになります。
新しいスキルの習得や挑戦を避け、現状維持を続けるうちに、周囲との格差が広がってしまうのです。
実際、同じ時間を自己投資に充てた人は新しい能力を身につけ、ポストコロナの社会で大きなアドバンテージを得ています。
癒しは必要ですが、停滞を正当化する口実にしてはいけません。
孤立というリスク
もうひとつの影響は、社会との接点の喪失です。
仕事や学びを避け続けると、人との関係性が薄まり、孤立感が強まります。
とりわけリモート環境では、他人の努力や成長が見えにくいため、知らぬ間に大きな差がつくこともあります。
やがて「自分だけが取り残されている」という感覚が強まり、再び社会に戻ることが難しくなるのです。
コロナ禍で広まった「がんばらなくていい」という考え方は、癒しとしては有効でした。
しかし、それを最終目的にすると停滞や孤立を招きます。
必要なのは、癒しと成長をバランスさせる視点です。
無理な競争に戻るのではなく、淡々と自分を磨き続ける柔軟さを持つ。
その姿勢こそ、次の時代に必要な「ゆるストイック」な生き方ではないでしょうか。
ゆるストイックに生きましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。