株式投資をしている人なら、誰もが憧れるのが資産1億円を築くこと。その道は決して平坦ではなく、達成できる人は少ない。そこで、今回は“億り人”になることに成功した個人投資家・すぽさんを取材。すぽさんがどのような手法で資産を増やし続けているのか直撃したので、投資の参考にしてほしい!(ダイヤモンド・ザイ編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2026年1月号の「勝ち組個人投資家13人の29のワザ!【1億円】の作り方」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

当初は割安株に投資していたがリーマン・ショックで挫折……
その後は成長株への投資に切り替えて大成功!

 投資歴20年のすぽさんは、2017年に40代でFIREを果たし、現在は専業投資家に。2005年に100万円の元手で投資を始め、これまでに1億円を超える資産を築いた。

 初期には中国の割安株への投資で資産を倍に増やしたが、2008年のリーマン・ショックで半減。「スタート地点に戻ってしまいました」とすぽさんは話す。

 手痛い経験をきっかけとして、すぽさんは2011年頃から投資戦略を見直し、割安株投資から成長を重視した投資に切り替えた。高収益のビジネスで利益が年率15%以上成長している企業を、PER20倍以下で買うという手法だ。15%成長が5年続けば利益が2倍になるため、株価も2倍が期待できる。2010年代は相場との相性もよく、すぽさんはこの手法で5年のうちに資産を10倍に飛躍させた。

 すぽさんによると、株式市場の主戦場には3つの階層があるという。1階は「資産価値に対して割安な株をPBRの視点で買う」。2階は「業績が伸びそうな株をPERの視点で買う」。ここまでは論理的思考で勝負できるが、3階は少々異なり、「株式需給や株価の勢いを見ながらトレードする」という心理戦の世界だ。

 すぽさん自身は「2階の住人で、業績を重視する投資手法がメイン」だが、最近は投資手法をブラッシュアップし、3階の心理の戦い方も取り入れるようになったという。