恋するおじいちゃん役にキュン!小日向文世演じる「ラストサムライ」が愛らしすぎる〈ばけばけ第44回〉『ばけばけ』第44回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」連載です。本日は、第44回(2025年11月27日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

リヨの恋占いの結果に、トキは落胆?

 八重垣神社の恋占い。

「沈んで」「沈まないで」とどっちつかずで念じたトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)だったが、リヨ(北香那)の紙の舟は遠くで沈んだ。念のため、八重垣神社の恋占いについて復習しておくと、紙の舟に銅貨を乗せて池に流し、舟が沈む距離と時間で恋を占うもの。

 遠くで沈むとお相手は遠くの人で、沈むのが遅いと縁談はなかなかないという解釈になる。

 つまり、リヨの恋は、遠くの人とそれほど長い時間をかけずに結ばれるという占いの結果になった。

「ベリーベリーハッピー」とリヨは大喜び。今度、ヘブン(トミー・バストウ)とランデブーに行くと意気込む。

 トキはなんだか少し落胆。

 ドラマは、トキとヘブンが夫婦になることをあらかじめ公表してあり、タイトルバックがラブラブ2ショットなので、ふたりが結ばれることを視聴者はほぼ全員了解済みであろう。だから、トキがヘブンに心引かれはじめているのだろうと感じながら見ているのだが、いつ、何をきっかけにそういう気持ちになりはじめたのか。

 大切なことは簡単に言葉にするものではないと、トキの気持ちをおもんぱかってくれたときであろうか。

 怪談という気分転換があっても、トキはなんとなくさみしい気持ちを常に抱えているのかもしれない。

 少なくとも、イライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)の写真にかすかな嫉妬みたいなものを抱いているようにも思うし、リヨはトキがライバルになりえると直感していた。そして、そのリヨの先手攻撃にトキは焦っている。明らかに恋がはじまっているように感じる。