2025年、いよいよ60歳を迎えた奥田民生。本連載では奥田民生の10年ぶりの本『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』の中から、民生流の「心の持ち方、生きるヒント」を紹介する。NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」や吉川晃司との新ユニット「Ooochie Koochie」(オーチーコーチー)も話題の奥田民生は、これまでどのように考え、どのように働き、どのように周りとの関係を築いてきたのか。その頭の中をのぞいてみよう。(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子)

「健康のため」と言われても…「歩くこと」がストレスになる人が試すといいことベスト1
Photo by Takahiro Otsuji

50代からの健康法

 健康法というほどではないけれど、最近の俺は若いときより水を飲む。

 昔はぜんぜん飲まなかったものだけど、いまは1日2リットル……は言い過ぎかもしれないけど、たくさん飲もうと意識している。

ウーロン茶は効く

 昔はどちらかと言えば水より緑茶を飲んでいた。

 でも緑茶だとカフェインが含まれるから水に変えた。

 昔、流行ったときには「ウーロン茶」も飲んでいたけど、なぜかカラダに合わなくてよく腹を下した。

 ただこの歳になると食事の油で「うっ」ってなると、「ウーロン茶は本当にスッキリする」ってわかってから、「なにをいまさら」って話だけれど、揚げ物を食べたら酒は必ず「ウーロン割り」と決めている。

「歩くために歩く」はできない

 あとやっているのは「歩く」ことくらいだけど、いくら健康にいいと言っても「散歩をしよう!」と思って散歩するのは好きじゃない。

 ムダに歩くのがイヤだから、「ここに行くにはバス停から○キロ歩かないと着かない」とか、そういう「理由」があってほしい。

 健康のために歩くのはいいことだとわかっているけど、「歩かなきゃ」と思って歩くのが面倒くさいし、「歩くために歩く」っていうのがストレスになる。

「少し遠回り」して帰るのがいい

 だから俺がよくやっているのは、飲み屋から家に帰るとき、普段ならタクシーに乗って帰るところをちょっと遠回りして歩いて帰るみたいなことで、そういうのはたまにやっている。

 昔はジムにも行ったけど、あれも「とりあえず走る」みたいなことだから行かなくなった。

 行くならダイエットとか筋肉をつけるとか、なにか理由がほしい。

「トイレを1キロ先に作る」という作戦

 だから俺がもしすごい金持ちだったら、すごくデカい土地を買って、途中に坂道とかもワザと作って、1キロ先にトイレを作りたいと思う。

「えー」って言いながら1日に何度か1キロ先に行くしかない家を建てたら、毎日、めちゃめちゃ歩くようになると思う。

 それだと時間がかかりすぎて途中で漏らすかもしれないけど、金持ちだったらそういうムダなことをしてみたい。

 まあ、それはいまのところは難しいから、続けている健康法は水をいっぱい飲んでなにか理由をつけて遠回りして歩いて帰ることくらいだけど、この歳ではそのくらいがちょうどいい感じになっている。

(本稿は奥田民生『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』からの抜粋記事です。)