2025年、いよいよ60歳を迎えた奥田民生。本連載では奥田民生の10年ぶりの本『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』の中から、民生流の「心の持ち方、生きるヒント」を紹介する。NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」や吉川晃司との新ユニット「Ooochie Koochie」(オーチーコーチー)も話題の奥田民生は、これまでどのように考え、どのように働き、どのように周りとの関係を築いてきたのか。その頭の中をのぞいてみよう。(構成/ダイヤモンド社・石塚理恵子)

Photo by Takahiro Otsuji
食習慣は徐々に変わる
昔から特に食事に気をつけてきたわけじゃないけど、俺はもともと好き嫌いはないし、肉も魚もまんべんなく食べてきた。
ただ最近は、さすがに脂っこいものは食べられなくなってきている。
焼き肉を食べに行っても、脂身が多い上カルビは1、2枚で十分だし、ステーキもサーロインよりヒレがいい。それもサシが入った和牛じゃなくて、アメリカンビーフの赤身肉で十分だ。
ライブ前のカップラーメンがご褒美
ライブのときはケータリングが入ることが多いけど、そういうときは「納豆とごはん」をリクエストしたり、でもときにはカップラーメンも食べたりする。
俺は普段、家ではカップラーメンは食べないから、食べるときはちょっと「ご褒美感」があって「楽屋といえばカップラーメン」って感じがする。
「ジャンク、食べちゃってるよ」みたいな背徳感が楽しい。
〆のラーメンはやめておけ
45歳くらいまではやれていたけど、飲んだ後の「〆のラーメン」もさすがに無理になってきている。
最後に食べたのは多分「天下一品ラーメン」。
酒の後の「〆の天一」は最高だけど、腹がいっぱいで食べ切れなくなってきている。
ラーメンは替え玉もすごく好きだし、カレーうどんの残った汁に白飯を入れて食うのも最高だけど、そういうのもできなくなった。
歳をとると残念ながら食はほんとに細くなる。
これは覚えておくといいと思う。
ベスト体重は63キロ
そんなわけでいまは食べられる量が少ないからそんなに気にしていないけど、若いときは「太っちゃいかん」とたくさん食べないように気をつけていた。
俺が人生で一番太っていたのは40歳を過ぎた頃の68キロ。
そのときは「こりゃいかん」と、最初に野菜を食べて腹を落ち着かせて、メインは少なめにするっていうやり方で減量した。
50代になってからは食べる量が減ったせいか、一度、痩せすぎて50キロ台までいったけど、「さすがにこれは痩せすぎだ」と思って63キロくらいまで戻した。
俺は63キロがベスト体重だと思っていて、いつもこのくらいを意識している。
食事は基本、1日2食
いま食事は基本、1日2食。
でも、何時に食べるというのは決めていない。
むしろかなり不規則で、夜はかなり深い時間まで飲むこともある。
ただ俺の場合、飲む量が増えると食べる量は自然と減るから、食事を調整しなくてよくなっている。
この歳になるとカラダが勝手にベスト体重に調整してくれるようになった気もする。
50代からの食の結論
だから食事について伝えられることはあまりないけど、1つだけあるとしたら「とにかく50歳を過ぎたら飲んだ後の〆のラーメンだけはやめておけ」ということだろう。
食いたいのに食えない。
食いたいのに腹が一杯は腹が立つ。
だから50歳を過ぎたらラーメンを食べるなら昼。
これが俺の結論だ。
(本稿は奥田民生『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』からの抜粋記事です。)