敵航空機を探知する北大西洋条約機構(NATO)のセンサーが、ベラルーシやウクライナからポーランド東部の国境を越える複数のドローンを捉えたのは、9日夜のことだった。NATOの戦闘機パイロットらは、この時すでに空中での迎撃準備が整っていた。NATOの戦闘機はその後、加盟国の領空内でロシアの航空兵器と初めて交戦。夜間に発生した衝突は、同機構にとって歴史的な出来事となった。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は交戦から数時間後、「第2次世界大戦以降、われわれは公然たる紛争に最も近づいている」と議員らに伝えた。NATOの監視機や戦闘機は、ロシアによるウクライナへの大規模攻撃が同盟国の領土に波及する恐れに備え、定期的にポーランド上空に展開されてきた。だが今回の直接的な交戦は、ロシアのドローンが同盟国の領空に侵入し、NATOの航空機がそれを阻止する駆け引きにおいて、事態を大きくエスカレートさせた。