松下幸之助も大切にした「運」の正体、験担ぎをバカにしてはいけない理由Photo:PIXTA

成功したのは「運」のおかげ
経営が順調な経営者ほど「神様」を大切にする

 新しい年を迎えて初詣に出かけ、今年も良い年になるよう神様に祈った人も多いのではないでしょうか。私もその一人です。

 実は、企業経営者には、信心深かったり、験を担いだり、運を大切にしたりする人が多くいます。私の知り合いの経営者は、行きつけのゴルフ場でプレーをするとき、コースの少しはずれにある社(やしろ)に立ち寄って手を合わせています。プレーの前ではなく、コースを回っているときに社に近づくと、プレーをわざわざ中断して拝むのです。もちろん、その経営者は大成功されています。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 私の感覚では、経営が順調な経営者ほど、信仰を大切にしたり、験を担いだりするようです。

 なぜかというと、人生には自分の力ではコントロールできない何かがあることを知っていて、うまくいっているのは神様のおかげだと感謝しているからです。それは神頼み、運頼みということではなく、うまくいっているときこそ分をわきまえて、おごらないようにしているからでしょう。

 とはいえ、経営者は孤独なので、おかしな宗教や占いにハマる人もいます。当然ながら、占い師の言葉を丸のみにした経営では、社員も取引先もお客さまも迷惑です。あくまでも「助言」や「警告」として聞く程度ならいいのですが、自らが下すべき判断の全てを占いに委ねてしまうようでは、経営者失格です。