大林組が失速、鹿島・清水は堅調――ゼネコン4社に賃上げと再編の波が直撃写真はイメージです Photo:PIXTA 

上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する人気連載「ダイヤモンド決算報」。今回は大成建設、鹿島、大林組、清水建設の「ゼネコン」大手4社を取り上げる。業界では準大手規模のゼネコンを中心に再編が起きていたが、ここにきて大成建設による買収も発表された。大きな変化を迎えている業界の現在を決算数字から読み取る。(ダイヤモンド・アナリティクスチーム 松野友美)

鹿島と清水建設が増収増益、大成建設は減収増益、大林組は減収減益

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゼネコン業界4社。対象期間は2025年4~6月期の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・鹿島
 増収率:5.9%(四半期の売上高6496億円)

・大林組
 増収率:-8.4%(四半期の売上高5238億円)

・大成建設
 増収率:-3.7%(四半期の売上高4403億円)

・清水建設
 増収率:10.2%(四半期の売上高4418億円)

 ゼネコン業界の大手4社では前年同期比(24年4月〜6月累計)で、鹿島と清水建設が増収増益、大成建設は減収増益、大林組は減収減益となった。

 次ページ以降では各社の増収率の推移を紹介するとともに、増収率が最も低かった大林組の業績を詳しく解説する。