米国の農場では数週間後に数千万トンの大豆の収穫が始まるが、農家は大きな問題に直面している。世界最大の買い手が全く購入意欲を示していないことだ。中国は米国産農産物の世界有数の買い手となっていた。中間層が拡大し、大豆かすなどで肥育した豚肉や鶏肉を好むようになったためだ。中国の旺盛な需要を商機と見込み、米国は生産量を増やしてきた。だが大豆は、中国政府が対米貿易戦争で使う強力な武器となった。中国の買い手は米国産大豆の購入を契約せず、代わりにブラジルに目を向けている。米大豆輸出協会(USSEC)のジム・サッター最高経営責任者(CEO)によると、昨年のこの時期には、米国の大豆農家には中国の買い手から大口の購入予約が入っていた。