世界の産油国の代表格が、太陽光発電に注力している。サウジアラビアは世界最大級の太陽光発電所をいくつか建設中で、日没後も電力を供給するための大型蓄電池を併設する予定だ。この急速な動きにより、同国はほぼゼロのスタートから太陽光発電業界で有数の急成長市場になろうとしている。サウジは日照の強さが同国経済を変革し、国庫を潤すことに期待をかける。新たな観光リゾートや工場、AIデータセンターのために同国は電力を必要としている。また再生可能エネルギーは、同国を裕福にした化石燃料からより多くの価値を引き出す可能性がある。サウジは発電用に石油を燃焼させているが、代替エネルギーを使えば輸出向けに原油を確保できる。米政権は再生可能エネルギーを巡り厳しい対応を取っているが、サウジの砂漠にガラスパネルが広がる光景は、中国製の太陽光パネルと電池の価格急落が、世界の発電状況にどう影響しているかを如実に示す例となっている。
「ソーラー大国」目指すサウジ、再エネ重視の理由
太陽光でAIデータセンターを稼働させ、石油は輸出に回す戦略
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