レバレッジ投資で資産を溶かす人、増やす人の「攻めと守り」の決定的な違い
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトップトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)では、投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、すぐに役立つノウハウが満載!

【ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが教える】元手100万円を150万円の投資効果に変える「レバレッジ投資」3つの鉄則Photo: Adobe Stock

リターンを加速させるレバレッジ投資という選択肢

レバレッジをかけて手持ち資金よりも多く投資をすることで、投資の成果をより大きくしたいと考える人は、次のポイントを意識しておくといいでしょう。

成功への鍵は、知っておくべき3つの鉄則

借りる資金の性質(短期・長期)を理解し、返済に対応できる資産運用を心掛ける(これを「ALM」〈資産・負債の総合管理〉ということがあります)

短期レバレッジは「2~3割」のスパイス

短期借り入れ(信用取引やレバレッジ型ETFなど)の活用は、株への資金配分の2~3割にとどめる(こうした借り入れは高コストのため、長期には不向き)

低金利は好機!長期ローンは安易に返さない

長期借り入れ(住宅や太陽光発電事業のローンなど)から得られる手元資金は、金利が十分に低いならば、なるべく多めに借りて安易に繰り上げ返済しない

攻めと守りのバランス感覚こそが最重要

レバレッジをかける際には、その比率(レバレッジ比率≒借金比率)をむやみに高めるのではなく、最悪のシナリオを考慮したリスク管理が重要です。

期待リターンを最大化しようとする「攻め」と、各資産が最悪期を迎えた場合を想定した「守り」(リスク管理)を両立させ、そのバランスをとることが求められます。

【実践編】元手100万円を150万円の投資効果に変える方法

例えば、元手100万円があるとします。

この場合、50万円でTOPIX(東証株価指数)連動のETF(上場投資信託)を購入し、残りの50万円でTOPIXの値動きの2倍になるように設計された「レバレッジ型ETF」を買うことで、合計150万円分の株式ETFを持ったのと同様のポートフォリオを構築できます。

1.5倍のレバレッジでリターンを増幅させる仕組み

この場合、元手100万円150万円分の株式投資が可能なので、150万円÷100万円=1.5倍のレバレッジを効かせた投資が可能になっています。

150万円を投資したのと同じ効果を得られるため、100万円を投資した場合に得られるリターンを1.5倍に増やすことができるのです。

上昇相場でこそ輝く、レバレッジの威力

このようにレバレッジ型ETFを購入すれば、元手の現金以上に投資元本を増やすことができます。そして、もし株式相場が上昇したなら、この方法でリターンを効率的に増やせるのです。