20代の「借金投資」はアリ? ただし“鉄壁の守り”がない人は絶対にやってはいけない
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトップトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)では、投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、すぐに役立つノウハウが満載!

【ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが教える】若者の“借金してでも投資”が実は合理的な納得の理由Photo: Adobe Stock

若さこそが最大の武器、「100-年齢の法則」のその先へ
全力投資でも物足りない? 若き日のジレンマ

「100-年齢(%)」という目安に基づけば、20代から40代の現役世代は株式の割合を半分以上に高めることが得策です

しかし、若い時期には収入がそれほど多くないのが普通ですから、金融資産の100%を株式に投資しても不足と感じるかもしれません

「借金してでも投資」はアリか? 究極の選択
時間の魔法:15年で資産を育てる思考実験

そこで出てくるのが、「借金をしてでも株の投資を増やすべきか?」という疑問です。

例えば、25歳時点で手元にある100万円を投資し、あとは毎月3万円をコツコツ積立投資したら、15年後の40歳で金融資産は投資元本ベースで「100万円+毎月3万円×12か月×15年=640万円」になります。

この場合、40歳までに順当に労働収入を増やせたなら、25歳当初の投資資金100万円は、40歳時点で所有しているであろう金融資産全体に占める割合はそれほど大きくはなりません。

若き日のレバレッジに宿る「一定の合理性」
未来予想図に潜む、人生の不確定要素

したがって、25歳の時点では投資資金100万円すべてを株に配分してもいいですし、借金をして(レバレッジをかけて)でも株式投資の割合を増やすことに、一定の合理性があるともいえそうです

しかし、当たり前のことですが、労働収入を当てにしすぎてはいけません。病気になるかもしれませんし、結婚や住宅購入、子どもの教育費など、お金のかかるライフイベントも予測できるでしょう。