黄金比率! GPIFに倣う「4資産均等型」の威力
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトップトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)では、投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、すぐに役立つノウハウが満載!

次のステージへ
『GPIF完全トレースポートフォリオ』という選択
金融資産を「オルカン50%+日本円(現金)50%」で持つ「GPIF簡易ポートフォリオ」にもう少し手を加えたいのであれば、「GPIF完全トレースポートフォリオ」がおすすめです。
オルカンとは三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、GPIFとは日本の年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」のことです。
❷GPIF完全トレースポートフォリオ
・日本株25%+外国株25%+日本国債25%+外国債券25%(すべてパッシブファンド)
・「eMAXIS バランス(4資産均等型)」または「TOPIX上場株ETF+eMAXIS Slimオールカントリー+MRF/MMFなど+IEF/LQD(米国上場ETF)または米国債」
投資成果の大半を決める
「資産クラス」という考え方
投資の分野では、「どの株やファンドを買うか」よりも、「どの資産クラスに投資するか」が重要だといわれます。
つまり、そもそも株に投資をするか、債券に投資をするかといった、大きな枠組みから考えることが重要だということです。
黄金比率!
GPIFに倣う「4資産均等型」の威力
多くの場合、資産クラスの配分法が投資成果の大半を左右します。そのため、まずはGPIFと同じ4種類の資産クラスに均等投資するのをベースとします。
これ1本で実践?
有力ファンド『eMAXIS バランス』
4資産均等型を実践する方法としては、三菱UFJアセットマネジメントの投資信託「eMAXIS バランス(4資産均等型)」が業界内でも有力です。
この投資信託を買うだけで、簡単にGPIFのポートフォリオをまねすることができます。
手数料が10倍!?
見過ごせないコストの現実
4資産均等型を実践するには、この投資信託だけで十分だと思われますが、この商品は超人気というわけではありません。信託報酬などのコストがやや高いことから、投資家の満足度が低い可能性があります。
ちなみにオルカンの信託報酬が年率で税込0.05775%以内なのに対し、「eMAXIS バランス(4資産均等型)」は同0.55%以内(いずれも2025年9月9日現在)と、10倍近く高いです。
コストを抑える最適解!
DIYで自分だけのポートフォリオを
この点が気になるのであれば、自分で4資産均等投資をするのも一手です。
つまり、日本株式・外国株式・日本債券・外国債券と4種の資産に該当するETF(上場投資信託)や投資信託を買うことでコストを抑えつつ、GPIFと同様の4資産均等投資のポートフォリオをつくるのです。
成功の鍵は「半々」のバランス!
GPIFのアロケーションを再現する
基本的なアプローチとしては、株式と債券の比率を半々、円貨と外貨の比率を半々、日本と外国の比率を半々とするGPIFのアロケーション(資産配分)をまねします。
実際に投資するには、外国のETFを取り入れることで投資の自由度は大きく向上します。
世界へ投資する準備と、その先の可能性
証券会社で外国株式・ETFの取り扱い口座を開設し、外国通貨を用意する必要がありますが、そうした準備さえできれば、外国債券への投資として米ETFのナスダック上場「iシェアーズ・コア米国国債7-10年ETF(IEF)」やNYSE Arca上場「iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF(LQD)」などをポートフォリオに入れることで、株式と債券の投資比率、円貨と外貨の投資比率、日本と外国の投資比率を、それぞれ調整できるようになります。
※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。