「裕福な家庭に生まれないと人生オワコンですよね」という時代。どう生きればいい?
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

出発点の格差が結果を左右する
近年、「人生はガチャ」という言葉が若者を中心に広がっています。
生まれた家庭や環境によって人生のスタート地点が大きく異なり、その後の努力で覆すことが難しい現実を表現した言葉です。
本記事では、この比喩が示す社会の変化と、私たちが取りうる姿勢について考えます。
家庭の経済力や教育環境は、人生の初期段階で大きな影響を与えます。
裕福な家庭に生まれれば、質の高い教育や経験に触れる機会が多く、スタート地点から有利になります。
一方、経済的に厳しい家庭では、学習リソースが限られ、選択肢が狭められるのが現実です。
この差は「努力すれば報われる」という物語を揺るがせています。
努力では覆せない壁
もちろん努力は大切ですが、社会の構造的な壁を完全に乗り越えることは容易ではありません。
教育格差、地域格差、さらには人脈や文化資本といった要素が重なり、努力だけでは到達できない領域が存在するのです。
これが「人生ガチャ」という言葉が共感を呼ぶ理由です。
それでもできる「小さな積み重ね」
ただし、ガチャの結果がすべてを決めるわけではありません。
大きな格差を一気に埋めることはできなくても、日々の小さな積み重ねによって、自分の環境を改善していくことは可能です。
語学やデジタルスキルの習得など、低コストで取り組める選択肢も増えています。
「できることを継続する」という姿勢が、自分なりの道を切り開く力となります。
「人生はガチャ」という言葉は、格差が固定化する社会の厳しさを端的に表しています。
しかし、その現実に嘆くだけでは何も変わりません。
大きな不平等を一気に解消することはできなくても、小さな積み重ねで状況を変えていくことは可能です。
他人と比べすぎず、自分のルールで歩みを続ける。
これこそが、現代を生き抜く「ゆるストイック」の実践です。ゆるストイックに生きましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。