Photo by Ayako Suga、エミレーツ航空
エミレーツ航空(アラブ首長国連邦)が羽田―ドバイ路線の就航を始めた。
2010年から再国際化した羽田空港からは、現在、19の航空会社が欧米アジア18都市へと乗り入れているが、中東への就航は今回が初めてとなる。「羽田空港からはビジネス需要を見込んでいる。特に、ドバイから20都市に接続しているアフリカへの乗り継ぎに最適」(リチャード・エンゲルマン・エミレーツ航空日本支社長)とアピールする。
エミレーツといえば、いまや世界の航空業界において飛ぶ鳥落とす勢いだ。
豊富なオイルマネーを背景に、毎年2桁成長を遂げており、12年度の売上高は199億ドル(約1兆9900億円、前年度比17%増)で、「過去25年間ずっと黒字を達成してきた」(ティエリー・アンティノリ・エミレーツ航空執行副社長)。
中東という地理的条件に恵まれていることもあり、昨今は、アジアとヨーロッパを結ぶ路線を侵攻、アジア太平洋地域の航空会社に揺さぶりをかけている。オーストラリア―ヨーロッパ路線で打撃を受けたオーストラリアのカンタス航空は、提携パートナーを英ブリティッシュ・エアウエイズからエミレーツに切り替えたばかりだ。
さらに、今後の成長にも意欲的だ。
総2階建てで世界最大の旅客機エアバス380や、大型旅客機ボーイング777など、合わせて195機、総額にして710億ドル(約7兆1000億円)相当を発注済み。拠点とするドバイ国際空港は、受け入れ可能旅客数を現在の年間6000万人から18年までに9000万人に拡大するとしているが、「これに合わせてエミレーツも貢献したい。20年までに供給量を倍増できる」と強気だ。