ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナ侵攻の理由として、北大西洋条約機構(NATO)の包囲網からの脱却、ウクライナ東部のロシア語話者マイノリティーの保護、プーチン氏が「ナチ化した」と呼び正統性がないとするウクライナ政権の打倒を挙げている。和平や休戦には、この「真の根本原因」を解決する必要があると主張している。プーチン氏が開戦を正当化する主張を繰り返す中、代替の説明が提示されないこともあり、プーチン氏の物語は西側指導者やアナリストの発言にも紛れ込むようになった。しかしロシアがウクライナ支配にこだわる理由については、客観的な経済データに基づいて、プーチン氏の主張よりもはるかに説得力のある説明ができる。プーチン政権にとって最大の脅威は、ロシアとその支配から逃れた周辺国の繁栄の格差が拡大していることだ。