社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

「強み」とは「無意識」に発動し、良い結果をもたらすもの
やりたいことがない人は、まず自分の「強みの種」を見つけるために、世界を広げると同時に、「感情」「身体感覚」「違和感」「他者からのフィードバック」の4つのポイントについて書き留めるとよいと本書でお伝えしました。
ここではそのときのコツをお伝えします。
小さな気づきこそ大切です。
「たいしたことない」と思えることも、メモを取りましょう。特に注目したいのは次のような表現です。
・「なんとなく」好きな行動や場面
・「なぜか」心が落ち着く状況
・「どういうわけか」うまくいってしまうこと
これまで説明してきたように、「強み」とは自分でも気がつかないうちに「無意識に発動してよい結果をもたらす思考や行動のパターン」のことをいいます。
普段たいしたことないと見過ごしてしまうことは、無意識から発せられていることがほとんどです。
無意識に出てくる、つまり無意識に自分に染み付いていることほど、重要なこととなります。無意識でやっていることは気づくことが難しいのですが、それだからこそ気づいたときは、漏らさずに書き留めましょう。
記録媒体はスマートフォンのメモアプリでもいいし、専用のノートを作って記入してもいいでしょう。気づきがあるたびに記録してもいいし、毎日の決まった時間に振り返って記入してもかまいません。生活のスタイルに合わせてください。
最初のうちは、気づくまでに時間がかかるかもしれません。これまで長い間見過ごしてきたものなので、すぐに気づけるようになるものでもありません。急いで答えを出そうと焦ると自分を正しく見ることができないので、日々の小さな観察を楽しむ気持ちで続けましょう。
毎日観察を続けていても、3か月~半年はかかると覚悟していてください。
*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。