結局受験は失敗に終わって、そこからグレて。少年院を出たあとは高校を中退したの。芸能界に入ったあともうまく自分を表現できなかったからくすぶっていて、ブランクが6年間あったわけよね。

 そのあと、やっと本来の自分を出せるようになって今に至るというわけだキロ……

 でもその過程の中で、本来の自分を出せなかった期間が長かった分、埋められないものがあったの。

 他のみんなはその当時、小学校生活を6年間、楽しく過ごしていたかもしれないキロ、ヮタクシが小学校で過ごした6年間って、何の思い出もないの。

「何か1個くらいあるでしょ」って何度も聞かれたことがあるんだキロ、本当にないのよ。嫌だったことはいっぱい思い出すんだけど、すっごく楽しかったなっていう思い出がないの。

 修学旅行も、ただただ苦痛だったわ。班分けで余っちゃう存在だったから、余り者同士で寄せ集められた班に入れられていたし。自分が余り者だってわかっているから、修学旅行も嫌な思い出だったの。

 だから今は、その埋められなかったときの時間を、倍にして濃く埋めて生きていきたいのよ!そのために「幸せとは何か」とか、「一人と孤独の違い」「自分の人生を生きていくためには」とか、いろんなことを考えたの。

 それだって考えながら同時にいろんな経験をして、「ありのままの自分を出せなかったら失敗するんだ」っていうこともあったし、「ありのままの自分を出せたら、こういう仕事につながって、こういうふうに周りは見てくれるんだ」っていう成功体験もあったわ。とにかくいろんな経験を積み重ねて、今に至ったの。

孤独という勝手なレッテルを
貼られることすら今は興味がない

 ヮタクシ、友達ほとんどいないのよ。少なくともヮタクシが友達と思っている人は、ほぼいない。恋人とかの概念もないから、基本一人よね。

 ヮタクシは一人旅もするし、海外にも一人で行くし、一人で温泉にも行くし、基本ずっと一人なの。

 だけど一回も孤独に感じたことはないわ。むしろ一人が好きなのよ。他人が自分の人生に深入りしてくることを邪魔だと思っているの。

ありのまま生きるアレン様撮影:尾藤能暢