頭キレキレでも「課長止まり」の人と「役員にたどり着く人」の決定的な差【佐藤優が教える】佐藤優氏 Photo by Shogo Murakami

熱く仕事をこなす、鋭くて優秀な人でも課長止まりの人がいる一方で、のんびりと見えても順調に役員クラスまで出世していく人もいる。元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんによると、大きく出世する人には2つの特徴があると言う。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優)
※本稿は動画「佐藤優 謙虚な人の戦略書」の一部を抜粋・編集したものです。

出世は非常に重要
権限が増えて見える景色が変わる

 出世はサラリーパーソンにとっては、民間でも役所でも基本的に非常に重要です。なぜなら出世した場合に、そこから権限が増えて見える景色が変わってくるからです。経験できることも変わります。だから出世に関しては基本的には追求していった方がいいでしょう。

 ただし、転職組の場合は、出世できるかどうかは社風にもよります。転職組にはある1つの分野を任せてそこで利益を極大化してもらうという位置付けの社風ならば、業績を上げても出世しません。部長待遇、あるいは部下がいない部長といった職位になり、そういう形で給料は上がっていくでしょう。

 ですから、その会社で出世している人たちをよく見ることです。プロパーだけが出世しているなら、そういう会社だと割り切る。そうではなくて、転職組かどうかも関係なく年次も関係なく出世できるということなら、おそらくそれは数字を出せるかにかかってきます。

 だから基本はまず数字を作れるかどうかです。同じくらいの数字を作れる人が複数いるなら、次に人間性なども指標に入ってきますが、まずは数字が取れることです。

難しい仕事は成果を上げるチャンス
ただし「達成不能な仕事」と区別すること

 それで、もし今成果を上げにくい仕事を任されているということなら、裏返して考えると、そこで成果を上げたら非常に高い評価がつきます。だからそれは良いチャンスをもらっていると思って、まずは数字を上げていくことを考えたらいいでしょう。

 もし役職につきたいということで、成果を出して年収があがっても、役職にはずっと就けず、「仕事がやりにくい」ということなら、もう一度転職を考える。その時にはちゃんと転職組でも役職が上がり、最後には役員に上がれる実例のある会社に入ればいい。

 でも基本は数字を出すことです。特に転職した場合には数字を出すことが難しい仕事を振られても文句を言わず、そこで結果を出していくことです。要するに難しい仕事を振られるということは、それを解決して成果を上げる可能性があるということ。

 ただし、「難しい仕事」と「できない仕事」は区別しておかなくてはいけません。絶対に達成不可能な仕事を与えられた場合、真面目にやっても意味がない。

 私もかつて絶対に達成できない仕事を振られたことがあります。