
「運」の良さは人生で重要なのか。経営の神様と言われるパナソニック創業者の松下幸之助さんは採用面接で必ず、「あんさん、運がよろしいでっか?」と確認をしたという。ニデック(旧・日本電産)を創業し、一代で売上高2兆円を超える世界一の総合モーターメーカーに育て上げた永守重信さんも「人生は運が7割」と断言し、ラッキーカラーを身につけたり、神社に毎月参拝している。それでは出世には運も必要なのか。運がよくなるために何をすればいいのか。元外務省主任分析官で作家の佐藤優さんに聞いた。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優)
※本稿は動画「佐藤優 謙虚な人の戦略書」の一部を抜粋・編集したものです。
運がいいことは非常に重要
実力のかなりの部分を示す
出世をする時に「運」の良さは関係するのか。実はその人の今までの生き方の蓄積とか、あるいは親の教育、家庭での成育歴が、運と密接に関係していると思います。その複雑系(多くの要素で構成され、それらの要素が相互に作用し合い、複雑に絡み合った体系)を一言で「運」と言っているのです。
運がいいということは非常に重要で、実力のかなりの部分を示しています。運が悪いな、この会社にいても巡り合わせが良くないなと思ったら場所を変えることです。すなわち転職を考えた方がいいと思う。
運というのは、非常に重要なんですよ。人間の合理性を超える部分があるんだけれども、それは神様などの概念を持ち出してくるものではなくて複雑系だということなんです。複雑なビジネスや出世においては、「これをしたらこういう結果になる」というシンプルなものではないんです。
でも運を掴むことはできます。