では、授業時間はどう使うべきか?
「思考」に全集中せよ

ノートを取る手を止めたとき、あなたの脳は初めて授業の主役になることができます。では、その貴重な時間をどう使うべきか。答えは、先生の言葉をきっかけに、ひたすら「思考」を続けることです。

「なぜ、そう言えるのだろう?」「具体例としては何が考えられるか?」「自分の知っている知識とどうつながるのか?」と、頭の中で絶えず自問自答を繰り返してください。授業とは、知識を書き写す“作業”の場ではありません。あなたの思考力をライブで鍛え上げるための、最高のトレーニングジムなのです。

「わかる」と「できる」の間に
横たわる溝を埋める

ノートをきれいに取ろうとすると、それだけで「勉強した気」になってしまうことがあります。しかし、それは多くの場合、「わかったつもり」に過ぎません。本当に大切なのは、その知識を使って問題を「できる」ようにすることです。

そのためには記憶が新しいうちに、教科書や参考書の該当箇所を繰り返し読み込む。この反復学習こそが、授業で得た「点」の知識を、使える「線」や「面」の知恵へと変えていくのです。

「書く」はインプットではなく
アウトプットのために

もちろん、「書く」行為を全否定するわけではありません。その真価が発揮されるのは、インプットの段階ではなく、自分の理解度を確認するアウトプットの段階です。

授業内容を思い出し、何も見ずに要約を書いてみる。学んだ公式を使って、実際に問題を解いてみる。この「思い出す」というプロセスこそが、脳に最も強い負荷をかけ、記憶を強固に定着させます。これは“塗り絵”ではなく、まさに頭脳の“筋トレ”と呼ぶべき行為です。

あなたの教科書を
「最強の参考書」に育てる

情報を一元化することは、学習効率を飛躍的に高めます。あちこちに分散したノートを探すのではなく、すべての情報を教科書や参考書に集約させましょう。

授業中に「ここがポイントだ」と感じたことや、先生が口頭で補足した重要事項を、直接テキストの余白に書き込むのです。そうすることで、市販の参考書が、あなただけの気づきや弱点が詰まった「最強のオリジナル参考書」へと進化していきます。

テスト前に見直すべきは、その一冊だけで十分なのです。

※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。