2025年もそろそろ終わりが近づいてきた。今年の投資では思い通りの成果を得られただろうか? さて、年末になったら意識したいのが、来年の投資戦略だ。年初から良いスタートを切るためにも、今ある資産をきちんと見直して、金融商品の入れ替えや投資目的の再確認などを行っておきたい。ここでは、NISA口座で投資している人に向けて、口座の中身の見直し方を紹介!(ダイヤモンド・ザイ編集部)

「ダイヤモンド・ザイ」2025年12月号の「2025年【NISA】年末戦略!」を基に再編集。データはすべて雑誌掲載時のもの。

無自覚でリスクを取りすぎていないか見直そう!
年齢から見た「リスク資産の理想の割合」も公開!

 そろそろ来年の投資戦略を考え始める時期だが、その前に今ある資産の見直しもしておきたい。特に、投資を始めて間もない人、あるいは投資信託の積立などはやっているものの、ほとんどほったらかしにしている人などは、一度立ち止まってチェックしよう。

 2024年にNISA(少額投資非課税制度)が刷新された影響で、投資を始める人は増えている。その中には「よくわからないけど、とりあえず人気と言われている投資信託の積立を始めてみた」という人も多いだろう。だが、人気の投資信託が万人に向いているかといえば、そうとも限らない。深く考えずに投資していると、自分のリスク許容度に見合わないほどのリスクをとってしまう可能性がある。

「市場では、たびたび暴落が起きます。不安で何も手につかなくなるほどリスクを取りすぎていると、投資を長く続けるのは難しくなります。また、株価が下がっていく恐怖から、本来は売るべきでないタイミングで、焦って売却してしまう可能性も。どんな局面でも落ち着いて投資を続けられるよう、現預金などの“無リスク資産”と、株や投資信託などの“リスク資産”の適正な配分を把握しておくことが大切です」(Money&You代表・ファイナンシャルプランナーの頼藤太希さん)
 
 では、無リスク資産とリスク資産のバランスは、どのように決めればいいのか? 頼藤さんが提案する基本の考え方は、資産総額のうち「無リスク資産」と「リスク資産」の比率を「自分の年齢」対「120から自分の年齢を引いた数字」にするというもの。

 たとえば、30歳であれば「30(無リスク資産):90(リスク資産)」、60歳であれば「60:60」という具合だ。つまり、若いほどリスク資産を多く持ち、年齢を重ねるごとにその割合を減らしていくのが基本的な方針となる。これを目安にして、リスク資産が多すぎる場合は、一部を無リスク資産に移行。あるいはリスク資産が少なすぎるなら、これから増やしていく計画を立ててみよう。

「なお、すでに現預金が1000万円以上ある場合は、運用に回す資金をこの比率より増やしてもOKです」(頼藤さん)

 さらに、前提として、万が一のケガや病気、リストラなどに備えて、生活費の6カ月~1年分は現預金で確保しておくことが重要だ。