「幸せな人」と「いつも不安な人」の決定的な違い
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、精神科医Tomyが教える 1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】将来の不安が消える「たった1つ」の考え方Photo: Adobe Stock

なぜ「今」を大切にすることが幸せにつながるのか

治らない病気になってしまったことがきっかけで、「今を楽しむ」ことについて考えてみたという方がいました。

私は常日頃から、人生をより良く、ストレスなく生きるための方法についてお話ししていますが、先々のことばかり考えると、不安や準備に追われて人生が終わってしまいます。一方で、過ぎ去ったことばかり考えると、変えることのできないことに後悔し続けて人生が終わってしまいかねません。

では、どうすればいいのでしょうか。それは、「今」の時間だけを考えること。これが最も大切だと考えています。

幸せの鍵は「今」の範囲を定めること

ただ、「今を考える」と言っても、その「今」には結構な幅があります。ベストなのは「この瞬間、この0秒」を考えることかもしれませんが、そのような哲学的な実践は誰にでもできるものではありません。

そこで重要になるのが、自分の中で「今」という時間の区切りをどう設定するかです。実は、この「今」という時間の区切りが小さければ小さいほど、人は幸せになれるのです。

例えば、「今」を「今週いっぱい」と考えてしまうと、週の後半に何か嫌な予定や心配事があった場合、そこに気持ちがとらわれてしまいます。先週の出来事を思い出して後悔することもあるでしょう。

「今」を「今日1日」に定める

そこで、最もイメージしやすく、実践的な範囲が「今日1日」です。

人生とは、「今日」という1日の積み重ねでできています。「今日1日を最高にしよう」あるいは「今日はそこそこ悪くない日にしよう」と考えてみてください。未来のことはまだ分かりませんし、過去はもう変えられません。

でも、「今日1日だけを少しでもまともに過ごそう」と思うことなら、なんとかなりそうな気がしませんか。それで良いのです。「今を大事にする」とは、分かりやすく言えば「今日を大切にすること」に他なりません。明日のことは、明日考えればいいのです。