米商務省経済分析局(BEA)は先週、4-6月期の実質GDP(国内総生産)統計を季節調整済み年率換算で前期比3.8%増に上方修正し、米経済が1-3月期のマイナス成長から回復したことを明らかにした。これを受けて、ホワイトハウスとウォール街は沸き立った。ヤフーファイナンスは「米経済が4-6月期に約2年ぶりの高成長を記録した。これは、ドナルド・トランプ大統領の関税政策が引き起こした不確実性にもかかわらず、力強い成長を示唆する内容だ」と伝えた。だが数字を詳しく見ると、貿易戦争が実際には経済に深刻な打撃を与えていることが分かる。先週のBEA報告に埋もれていたのは、GDPよりも信頼性がはるかに高い経済指標「総生産(gross output=GO)」だ。これは生産の全ての段階における支出を測るもので、4-6月期のGOは年換算で推計63兆ドル(約9400兆円)に上り、30兆ドル規模のGDPの2倍超に相当する。
【寄稿】米GDP統計に隠れた「景気後退の警告」
貿易戦争受け、4-6月期の企業支出が急減
特集
あなたにおすすめ