「カンの悪い人」に指示を出す時、デキる上司が必ず守る“たった1つのルール”とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「話が伝わらないなぁ」「そういうことじゃないんだよなぁ」……なかなか意図することをくみ取ってもらえず、困ったことがある人もいるのではないだろうか。“勘の悪い人”にうまく伝えるにはどうすればいいのか。新刊『コンサルだけが知っている 伝え方のテンプレ』を上梓した本連載著者の田中耕比古さんが、本書のエッセンスを混ぜながら、今日から使える「伝え方のコツ」を伝授する。(ギックス共同創業者 田中耕比古)

「勘の悪い人」に伝えるとき
押さえておくべき2つのポイント

 世の中には、勘の良い人と勘の悪い人がいます。

 勘が良い人は、何を話していても即座に理解し、ちょうどよい具合の返答をしてきます。

 一方、勘の悪い人は、なかなか要領を得ず、コミュニケーションに時間がかかります。

 勘の悪い部下や後輩と仕事をしていると、

「また、ちょっと違うなぁ」
「ああ、そういう解釈をしちゃったか」
「うーん……また、同じ失敗をしてるなぁ」

 というようなことがよく起こります。

 もちろん、情報の受け手である部下や後輩にも問題はあると思いますが、上司であるあなたも「情報の出し方」に工夫をする責任があります。

 適切に情報を伝えて、しっかり仕事で価値を出してもらうことは、上司の大切な仕事です。

 こういう場合に押さえるべきポイントは、次の二つです。

(1)抽象的な話をすると、相手が誤解する余地が増える
(2)伝える情報量が多いと、うまく受け取れないリスクが高まる

 しかしながら、一つ目のポイントに気をつけて「誤解されないように具体的に話す」ことを心掛けると、非常に残念ながら「情報量が増える」ということになってしまいます。

 多くの情報を伝えると、相手がうまく受け止めきれなくて結局、思った通りには伝わりません。

 このバランスを上手に取らなければ、勘の悪い人とのコミュニケーションはうまくいきません。

 どうすればいいのでしょうか。