なぜか毎日が楽しくない人の意外な共通点
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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メンタルを崩す
避けるべき生活習慣
今日は、メンタルの不調につながる可能性のある生活習慣について、特に「これだけは避けてほしい」というテーマでお話ししたいと思います。
私自身が過去、なんとなく憂鬱になり、やる気が起きず、「毎日が楽しくないな」と感じてしまった経験があります。本日は、その原因となった生活習慣についてご紹介します。
長い通勤時間が心に与える影響
この生活習慣が身についてしまったのは、自分のクリニックを経営していた頃のことです。諸事情により、車で片道1時間半かかるところから通勤していた時期がありました。幸い、それは一時的なもので、後に職場の近くに引っ越して解消されたのですが、当時は往復3時間を通勤に費やしていました。
車の運転は、想像以上に心身を消耗させます。自分で運転する場合、常に気を張り、体力も使うため、特にその傾向が強まると言われています。
睡眠時間は足りているのに…
なぜか募る憂鬱感
当時の生活は、朝9時始業のクリニックに間に合わせるため、渋滞なども考慮すると朝6時過ぎには起きる必要がありました。そして、自分には7時間ほどの睡眠が必要だと考えていたため、就寝時間は夜11時頃でした。
仕事が終わり、雑用や食事、入浴などを済ませると、気づけば夜10時半を過ぎていることがほとんどです。長時間の運転で体は疲弊しているため、ひと通りの用事が終わると「なるべく早く寝よう」と、すぐにベッドに入っていました。
こうして睡眠時間そのものは確保しようと努めていたのですが、なぜか気持ちは晴れませんでした。「なんだか気分がだるい」「毎日が楽しくない」と感じ、気持ちが重くなっていったのです。今思えば当たり前のことで、自分のための楽しい時間や、心が休まる時間が全くなかったのです。
心を回復させた
たった30分の「ゆとり時間」
「このままではいけない」と感じた私は、ある習慣を試すことにしました。それは、全ての用事が終わってから寝るまでの間に、必ず30分間の「自分のための自由な時間」を設けるというものです。
この30分間は、仕事のことは一切考えません。ネットサーフィンをしたり、動画を観たり、読書をしたりと、生産性を問わず、ただ自分がリラックスできること、楽しいと思えることに時間を使いました。
この習慣を始めてから、心に大きな変化がありました。睡眠時間はわずかに削られますが、日中のつらさが軽減され、仕事への意欲も湧いてきたのです。
睡眠は「長さ」よりも
「質」が大切な場合もある
人間の体は非常にうまくできており、睡眠時間が多少短くなっても、その分、眠りが深くなるなどして、バランスを取ろうとすることがあります。そのため、30分睡眠時間を削っても、以前より寝不足を感じることはありませんでした。
実は、不眠症の治療で行う「睡眠衛生指導」の中でも、あえて就寝時間を遅らせるアドバイスをすることがあります。眠れないことに悩み、「早く寝なければ」と焦るあまり、かえって寝付けなくなり悪循環に陥る方がいるためです。そのような場合に、就寝時間を少し遅らせることで、かえって睡眠の質が深まり、負のスパイラルから抜け出せるケースがあるのです。
今日からやめてほしい生活習慣
私がこの経験からお伝えしたいのは、「仕事から帰宅し、やるべきことを終えたらすぐに寝る」という、ゆとりのない生活習慣はやめてほしいということです。
一日の終わりに、たとえ30分でも良いので、自分のためにリラックスできる時間を持つこと。その「ゆとり時間」が、心の健康を保ち、明日への活力を生み出す上で非常に重要になります。ぜひ、意識してみてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








